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砂
「砂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
砂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
る。ほとんど絶望に近い表情。
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カッフェの飾り窓。
砂糖の塔、生菓子《なまがし》、麦藁《むぎわら》のパイプを入れた曹達水《ソオダすい....
「影」より 著者:芥川竜之介
《むぎわらぼう》の庇《ひさし》へ手をやると、吉井が鳥打帽を脱ぐのには眼もかけず、
砂利を敷いた構外へ大股《おおまた》に歩み出した。その容子《ようす》が余り無遠慮《....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
、不可思議な魅力《みりょく》を添えるようだった。
オルガンティノは寂しそうに、
砂の赤い小径《こみち》を歩きながら、ぼんやり追憶に耽っていた。羅馬《ロオマ》の大....
「彼」より 著者:芥川竜之介
太陽はとうに沈んでいた。しかしまだあたりは明るかった。僕等は低い松の生《は》えた
砂丘《さきゅう》の斜面に腰をおろし、海雀《うみすずめ》の二三羽飛んでいるのを見な....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
うことにも気づかなかったと云うのは………
保吉は下宿へ帰らずに、人影の見えない
砂浜《すなはま》へ行った。これは珍らしいことではない。彼は一月五円の貸間と一食五....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
から、中学を卒業するまで、自分はほとんど毎日のように、あの川を見た。水と船と橋と
砂洲《すなず》と、水の上に生まれて水の上に暮しているあわただしい人々の生活とを見....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
》だった。黄塵とは蒙古《もうこ》の春風《しゅんぷう》の北京《ペキン》へ運んで来る
砂埃《すなほこ》りである。「順天時報《じゅんてんじほう》」の記事によれば、当日の....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
いと言っても、この海辺《うみべ》に多い弘法麦《こうぼうむぎ》だけは疎《まば》らに
砂の上に穂《ほ》を垂れていた。その穂は僕等の来た時にはまだすっかり出揃《でそろ》....
「運」より 著者:芥川竜之介
く塔の奥へ行って見ると、どうでございましょう。綾や絹は愚《おろか》な事、珠玉とか
砂金《さきん》とか云う金目《かねめ》の物が、皮匣《かわご》に幾つともなく、並べて....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
であろう。が、彼をしてリアリストたらしめたものは、明らかに道徳的意識の力である。
砂の上に建てられた旧道徳を壊って、巌の上に新道徳を築かんとした内部の要求の力であ....
「初雪」より 著者:秋田滋
して遊んでいる子供を連れたり、男と何やら語らいながら、足どりもゆるやかに散歩路の
砂のうえを歩いてゆく女の姿が、そこにもここにも見えた。 * ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
然たる癡呆の一書生なり。馬車の動揺に精神を撹乱し、単純なる空気を呼吸したる肺臓は
砂煙りに混じたる汚濁|臭穢の空気を吸い込み、馬車人力車の轟きさながらに地獄の如く....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ファラデーが助手になってから、どんな実験の手伝いをしたかというに、まず甜菜から
砂糖をとる実験をやったが、これは中々楽な仕事ではなかった。次ぎに二硫化炭素の実験....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
生があらわれると、とかく農家のおやつのテーブルには少なからず騒ぎがおこり、菓子や
砂糖漬けのご馳走がむやみと増えることもあろうし、ことによれば、銀の茶瓶を見せびら....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
題にもなにもなっていないことが解るだろう。そこでは民族がすべてなのだ。生きもの、
砂漠の中に放浪生活を営む一種族の生きものとは、そもいかなるものであろうか。彼等は....