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「砂丘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

砂丘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
太陽はとうに沈んでいた。しかしまだあたりは明るかった。僕等は低い松の生《は》えた砂丘《さきゅう》の斜面に腰をおろし、海雀《うみすずめ》の二三羽飛んでいるのを見な....
或る女」より 著者:有島武郎
まで行ってみようや」 倉地はそういって海岸線に沿うてむっくり盛《も》れ上がった砂丘《さきゅう》のほうに続く砂道をのぼり始めた。葉子は倉地に手を引かれて息気《い....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
舞いに通った。一時は病勢が非常に衰えたように見えた。お前たちと母上と私とは海岸の砂丘に行って日向《ひなた》ぼっこをして楽しく二三時間を過ごすまでになった。 ど....
デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
は海岸より吹き送らるる砂塵《すなほこり》の荒廃を止《と》めました。北海沿岸特有の砂丘《すなやま》は海岸近くに喰い止められました、樅《もみ》は根を地に張りて襲いく....
俊寛」より 著者:菊池寛
では、まだ秋の初めででもあるように暖かだった。 三人の流人たちは、海を見下ろす砂丘の上で、日向ぼっこをしていた。ぽかぽかとした太陽の光に浴していると、ところど....
間諜座事件」より 著者:海野十三
――だが一皮下は、棒を呑んでいるような気持だった。 明るい舞台では、コメディ「砂丘の家」が始まっていた。 流石にカブリツキは遠慮して、中央の席に坐る。 舞....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
。そればかりでなく、さらに床を横合から透かしてみると、まるで月世界の山脈か沙漠の砂丘としか思われぬような起伏が、そこにもまた無数と続いているのだった。それ等は、....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
かしてつくる塩の洞窟だ。マヌエラ、あなたには想像もできまい。まるで月世界の山脈か砂丘のような起伏、石筍、天井からの無数の乳房、それが、光をうけるとパッと雪のよう....
怪塔王」より 著者:海野十三
か。それにしてもあの勇敢な帆村探偵は、なぜしっぽをまいて逃げだしたのでしょうか。砂丘 1 帆村探偵と一彦少年とは、怪塔王にどなりつけられましたので、....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
遂げることになる。犠牲――。それも、知られないほど、美しい) 夜が明けかかり、砂丘の万波にようやく影が刻まれてゆく。空には、獅子座が頭をさげて西の空へ下りかけ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
原を貫く細道をどこまでもどこまでも先きへ急ぎました。 やがて前面に、やや小高い砂丘の斜面が現われ、道はその頂辺の所に登って行きます。『何やら由井ヶ|浜らしい景....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
しかし、足もとの草原は、闇の中でほう茫と押し拡がっていて、やがては灰色をした砂丘となり、またその砂丘が、岩草の蔓っているあたりから険しく海に切り折れていて、....
火の扉」より 著者:岸田国士
から、ね」 そう言つて、歩きだしはしたが、林は間もなくつきて、はるかに、小高い砂丘の連らなつている風景が眼にはいつた。 その砂丘地帯にたどりつくまでには、小....
健康三題」より 著者:岡本かの子
を叩いた。 二週間ほどの滞在中一度だけ私は娘を散歩に連れて出てやった。日の当る砂丘の蔭に浜防風が鬱金色の芽を出していた。娘は細い指先でそれを摘まみ集めながら私....
百喩経」より 著者:岡本かの子
道を進めた。自信のある足取で行路を指揮する権威ある態度の彼は立派な案内者だった。砂丘の蔭に石で蓋のしてある隠し水の在所も迷うことなく探し宛てた。太陽が中天に一休....