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砂利
「砂利〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
砂利の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「冬」より 著者:芥川竜之介
には太い木の格子戸《こうしど》の向うに、霜に焦《こ》げた檜《ひのき》などのある、
砂利《じゃり》を敷いた庭を透《す》かしていた。僕はこの門の前に立ち、長い半白《は....
「影」より 著者:芥川竜之介
《むぎわらぼう》の庇《ひさし》へ手をやると、吉井が鳥打帽を脱ぐのには眼もかけず、
砂利を敷いた構外へ大股《おおまた》に歩み出した。その容子《ようす》が余り無遠慮《....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
が何日かを忙しい中に暮らした事務室を去った時、窓から首を出して見たら、泥まみれの
砂利の上には、素枯れかかった檜《ひのき》や、たけの低い白楊が、あざやかな短い影を....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
の落ち尽した墓地は不相変《あいかわらず》きょうもひっそりしていた。幅の広い中央の
砂利道にも墓参りの人さえ見えなかった。僕はK君の先に立ったまま、右側の小みちへ曲....
「路上」より 著者:芥川竜之介
掻《か》きまぜたような色になって、そこから湿っぽい南風《みなみかぜ》が、幅の広い
砂利道《じゃりみち》へ生暖く吹き下して来た。俊助は「雨かな」と呟きながら、それで....
「死後」より 著者:芥川竜之介
に眠りに落ちてしまった。――
夢の中の僕は暑苦しい町をSと一しょに歩いていた。
砂利を敷いた歩道の幅はやっと一間か九尺しかなかった。それへまたどの家も同じように....
「白」より 著者:芥川竜之介
」などと、地だんだを踏んでいるのです。坊ちゃんも、――坊ちゃんは小径《こみち》の
砂利《じゃり》を拾うと、力一ぱい白へ投げつけました。
「畜生《ちくしょう》! ま....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
ち! そっちじゃありませんよ。こっち! こっち!」
彼は鶺鴒の云うなり次第に、
砂利《じゃり》を敷いた小径《こみち》を歩いて行った。が、鶺鴒はどう思ったか、突然....
「夢」より 著者:芥川竜之介
上にあがり、省線電車の線路を見おろしたりした。線路は油や金錆《かなさび》に染った
砂利《じゃり》の上に何本も光っていた。それから向うの土手の上には何か椎《しい》ら....
「或る女」より 著者:有島武郎
を込めたひとみを送った。古藤はしゃちこ張《ば》った軍隊式の立礼をして、さくさくと
砂利《じゃり》の上に靴《くつ》の音を立てながら、夕闇《ゆうやみ》の催した杉森《す....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
た。 三六 火花 やはりそのころの雨上がりの日の暮れ、僕は馬車通りの
砂利道を一隊の歩兵の通るのに出合った。歩兵は銃を肩にしたまま、黙って進行をつづけ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
のために、――三年の間、夜に、日に、短銃を持たせられた、血を絞り、肉を刻み、骨を
砂利にするような拷掠に、よくもこの手が、鉄にも鉛にもなりませんでした。ああ、全く....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
けて御覧なさると、欄干が取附けてござります、巌組へ、池から水の落口の、きれいな小
砂利の上に、巌の根に留まって、きらきら水が光って、もし、小雨のようにさします朝晴....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
のない建物だった。十年|前の僕も幸福ではなかった。しかし少くとも平和だった。僕は
砂利を敷いた門の中を眺め、「漱石山房」の芭蕉を思い出しながら、何か僕の一生も一段....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
のは建築中の同愛病院である。高い鉄の櫓だの、何階建かのコンクリートの壁だの、殊に
砂利を運ぶ人夫だのは確かに僕を威圧するものだった。同時にまた工業地になった「本所....