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砂土
「砂土〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
砂土の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ぎり古く寂《さ》びれた鎌倉《かまくら》の谷々《やとやと》にまであふれていた。重い
砂土の白ばんだ道の上には落ち椿《つばき》が一重《ひとえ》桜の花とまじって無残に落....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
ね……」 黄風が電線に吠えた。 この蒙古方面から疾駆して来る風は、立木をも、
砂土をも、家屋をも、その渦のような速力の中に捲きこんで、捲き上げ、捲き散らかす如....
「帆」より 著者:宮本百合子
ぶら抜けながら、どこへ行こうかと思った。女子青年会のアパアトメントにいる友達と、
砂土原町とが頭に浮んだ。 藍子の先輩に当る相馬尚子が仏語の自宅教授や翻訳を仕事....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
することである。私の屋敷では、北隣は久留米藩有馬家、南隣は島原藩松平主殿正、西は
砂土原藩小さい方の島津であった。私どもの屋敷ではこの三つの藩邸と凧合戦をした。か....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
舞子のところ住吉のところなど、線路のところへ山が岩と松とをのせて流れ出したようで
砂土の丘が出来ている。 六甲の麓《ふもと》の金持の別荘地帯は、八畳じきぐらいの....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
っていた鴉は大きい嘴を空へ挙げながら、確かに四たび声を出した。 僕は芝の枯れた
砂土手に沿い、別荘の多い小みちを曲ることにした。この小みちの右側にはやはり高い松....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ルジャンが出会った崩壊孔は前日の驟雨《しゅうう》のためにできたものであった。下の
砂土にようやくささえられていた舗石《しきいし》はゆがんで、雨水をふさぎ止め、水が....
「イーハトーボ農学校の春」より 著者:宮沢賢治
は八万三千十九 ※‥‥‥ ※‥‥‥ )
砂土《すなつち》がやわらかい匂《におい》の息《いき》をはいています。いままでやす....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
一 市ヶ谷加賀町から
砂土原町のほうへおりる左内坂の途中に、木造建ての小さな骨董店《こっとうてん》があ....
「仙人掌の花」より 著者:山本禾太郎
が光を増すのであった。 陽が、とっぷりと暮れる。芦の葉ずれ、にぶい櫓声、柔かな
砂土を踏むフェルト草履の感じ、それらのすべては、病を養う閑枝にとっては一殊淋しい....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
。奈良坂を越えるともう光景が一変する。道は小山の中腹を通るのだが、その山が薄赤い
砂土のきわめて痩せた感じのもので、幹の色の美しいヒョロヒョロした赤松のほかにはほ....
「日本の伝説」より 著者:柳田国男
北足立郡白子町下新倉………………………………………………………子安池 同 大
砂土村土呂………………………………………………………神明の大杉 入間郡所沢町上新....
「それから」より 著者:夏目漱石
た時、日は暮れ掛かった。士官学校の前を真直に濠端《ほりばた》へ出て、二三町来ると
砂土原町《さどはらちょう》へ曲がるべき所を、代助はわざと電車|路《みち》に付いて....