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砂浜
「砂浜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
砂浜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
うことにも気づかなかったと云うのは………
保吉は下宿へ帰らずに、人影の見えない
砂浜《すなはま》へ行った。これは珍らしいことではない。彼は一月五円の貸間と一食五....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
疎《まば》らに低い松の間を通り、引地川《ひきじがわ》の岸を歩いて行った。海は広い
砂浜の向うに深い藍色《あいいろ》に晴れ渡っていた。が、絵の島は家々や樹木も何か憂....
「或る女」より 著者:有島武郎
二人とも車を捨てて海岸に出た。もう日は稲村《いなむら》が崎《さき》のほうに傾いて
砂浜はやや暮れ初《そ》めていた。小坪《こつぼ》の鼻の崕《がけ》の上に若葉に包まれ....
「溺れかけた兄妹」より 著者:有島武郎
思議に思えるほどですが、九月にはいってから三日目になるその日には、見わたすかぎり
砂浜の何所にも人っ子一人いませんでした。
私《わたし》の友達のMと私と妹とはお....
「恐竜艇の冒険」より 著者:海野十三
値段のやすいのを見ると、ぼくより以上に、それを買うことに熱をあげた。そのものは、
砂浜にゴロゴロと、いくつもころがっていた。それは小型の潜水艇《せんすいてい》であ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
横たえて、夜目にも白く見える波濤の牙が、小休みもなくその胴腹に噛いかかっている。
砂浜に繁われた百|艘近い大和船は、舳を沖のほうへ向けて、互いにしがみつきながら、....
「海異記」より 著者:泉鏡花
て黒い鼻の高いのが認められた。衣は潮垂れてはいないが、潮は足あとのように濡れて、
砂浜を海方へ続いて、且つその背のあたりが連りに息を吐くと見えて、戦いているのであ....
「恐竜島」より 著者:海野十三
子もあるし、マングローブ(榕樹《ようじゅ》)も見える。その間に、ところどころ白い
砂浜《すなはま》がのぞいている。ラツールが発見した石垣は、ずっと左の方にあり、な....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
て反るでしゅ。見つけられまい、と背後をすり抜ける出合がしら、錠の浜というほど狭い
砂浜、娘等四人が揃って立つでしゅから、ひょいと岨路へ飛ぼうとする処を、 ――ま....
「火星兵団」より 著者:海野十三
つづけながら、岬の上を低くとんでいく。そうして、やがて、ごうんという音とともに、
砂浜の上に着いた。
いよいよ火星に着いたのだ!
砂のうえに着陸した大空艇は、....
「怪塔王」より 著者:海野十三
か。そこに見えたものは、あの赤土の壁でもありませんでした。また二人が見なれた白い
砂浜と、青い海原にとりかこまれた森の中の風景でもありませんでした。それはなにもな....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
だされようとした。 十二分はすぎた。時間だ。 太刀川は、操縦席から、どさりと
砂浜のうえになげだされたが、すぐさまはねおきて、月光にうかびあがる大海面をふりか....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
い公園の下へ出ると、坂の上り口に社があった。 宮も大きく、境内も広かった。が、
砂浜に鳥居を立てたようで、拝殿の裏崕には鬱々たるその公園の森を負いながら、広前は....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
ります。……この一構は、村の庄屋で。……端近へは姿も見えぬ、奥深い床の間と、あの
砂浜の井戸端と、花は別れて咲きました。が、いずれ菖蒲、杜若。……二人は邑知潟の汀....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
ほれ、これでがす。」 ころ、ころ。 「ほれ、――諸国、旅をして存じております。
砂浜から、ひょっこりひょっこりと出る芋づるの奴より、この……山の松露が、それこそ....