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「砂漠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

砂漠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
いる。彼等は愛を信じない。良心なるものをも信じない。唯昔の苦行者のように無何有の砂漠を家としている。その点は成程気の毒かも知れない。しかし美しい蜃気楼《しんきろ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
たが、その目の遣場が無さそうに、向うの壁に充満の、偉なる全世界の地図の、サハラの砂漠の有るあたりを、清い瞳がうろうろする。 「勿論早瀬は、それがために、分けて規....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
てて風を切りながら、船の上に現われて来る。猫のような声で小さく呼びかわすこの海の砂漠の漂浪者は、さっと落として来て波に腹をなでさすかと思うと、翼を返して高く舞い....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の普及に努めた。紀元八二七年にはまたアラビア湾に臨むシンガール(Singar)の砂漠で、子午線測量を行わせ、一度の長さがアラビアの里程で五六・七里に当るという結....
地球盗難」より 著者:海野十三
のではなく、むしろ呻き声か鳴き声かに類していた。強いて相似なものを求めると中米の砂漠に住んでいるガラガラ蛇の尻尾から出る怪音に似ていた。 大隅は、なおも跫音を....
少年探偵長」より 著者:海野十三
ことを、このうえもなくよろこんだ。 アフリカの猛獣狩り、熱帯での鰐退治、サワラ砂漠の砂嵐、さてはまた、嵐に遭遇して、無人島へ吹きよせられた難破船の話など、戸倉....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
着陸用のソリがひきだされる。そして火星の表面に着陸地帯として、もってこいの平らな砂漠《さばく》を探しあてると、一気にそれへまい下ったのであった。 新月号が火星....
人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
わやかなる秋の夕暮を想い出すそうである。――なにしろ、ここは、人跡まれなる濠洲の砂漠の真只中である。詰襟の服なんか、とても苦しくて、着ていられなかった。 この....
月世界探険記」より 著者:海野十三
の生物じゃないかしら」 進少年の発した愕きの言葉に、一行ははっとして、荒涼たる砂漠の上に足を停めた。 絶望 「――ああ、何のことだ、あれは月の世界の生物....
大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
なあ。やい、三郎、気をつけろい。ここは、地球の上じゃない。まるで何もない大宇宙の砂漠なんだから……」 艇夫長は、缶をそっと床の上において、しずかに、元の隅へお....
狂人日記」より 著者:秋田滋
題にもなにもなっていないことが解るだろう。そこでは民族がすべてなのだ。生きもの、砂漠の中に放浪生活を営む一種族の生きものとは、そもいかなるものであろうか。彼等は....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
に燃ゆる。たとえば白魚に緋桜のこぼるるごとく。―― これは蒼鬣魚を見て、海底の砂漠の影を想ったような空なものではない。 聞く処に従うと、紅屋の内儀の貞操は、....
西航日録」より 著者:井上円了
なり。運河はその幅およそ三十間くらいに見ゆ。まま四十間以上の所あり。両岸は一面に砂漠にして、草木皆無のありさまなれども、所々に蓬草の生ぜるを見る。十二日、午後一....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
住、日用品ことごとく、他地方より供給を仰ぐ。 二十四日、晴れ。終日船中にありて砂漠に似たる山を望み、その中腹に汽車のときどき昇降去来するを見るのみ。この地、目....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
峡、永定河に作られんとする官庁ダム、さらに長城につらなっているところの緑の長城、砂漠の中の工場の出現、鉄道の建設と、飛躍しております姿をあげますならば枚挙にいと....