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砂金
「砂金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
砂金の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
――」
「さらに剛力ではなくなるのです。」
「しかし人が掬《すく》わなくっても、
砂金《しゃきん》は始《はじめ》から
砂金でしょう。」
「さあ、
砂金だとわかるのは、....
「運」より 著者:芥川竜之介
く塔の奥へ行って見ると、どうでございましょう。綾や絹は愚《おろか》な事、珠玉とか
砂金《さきん》とか云う金目《かねめ》の物が、皮匣《かわご》に幾つともなく、並べて....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
、その位なこと、わかる男だ」 薫は女のような艶めかしい両腕で涙を拭いた。小初は
砂金のように濃かく汗の玉の吹き出た薫の上半身へ頭を靠れ薫の手をとった。不憫で、そ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
までも埋まってしまう、純護謨製の園芸靴だった。しかも、底に附着している泥の中で、
砂金のように輝いているのが、乾板の微粒だったのである。のみならず、後刻になって、....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
こうおいでなさりませ」 松虫は主水の先に立って雑木林へ分け入った。 ちょうど
砂金でも振り蒔いたような夕陽の光が木々の隙から斜に林へ射し込んでいたが、歩いて行....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
巧緻にしてかつ神秘である。 いま此処に来てこの経を視るに、毛越寺の彼はあたかも
砂金を捧ぐるが如く、これは月光を仰ぐようであった。 架の裏に、色の青白い、痩せ....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
を通して脚を濡らし、道の左右に繁り合っている、巨大な年老いた木々の間から、夕日が
砂金のように時々こぼれた。道は思い切った爪先上りで、胸を突きそうな所さえあった。....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
じゃ。――みんな地理書に記されてある」 「どのような宝でございましょうな?」 「
砂金、宝石、異国の小判」 「無人の島でございますかな?」 「兇暴残忍の土人どもが....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
かって連れて参れ」 「かしこまりましてござります」 密房の扉があけられている。
砂金色の燈火が隙から射して、廊下を明るく照らしている。 血刀を下げて突っ立って....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
ていて、その隙から手燭を携えた緑色の被衣をかずいた女の、物の化じみた姿が見えた。
砂金色をした手燭の光が、被衣の中に納まっている女の顔へあたっていたので、女の顔は....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
た顔だった。釣られて、 「――では、何かうまい話でも……?」 と、きくと、実は
砂金の鉱区が売物に出ているという。銀主を見つけて、採取するのもよし、転売しても十....
「荘子」より 著者:岡本かの子
の村の籬落はまばらな灯の点在だけになり、大梁と思われる地平線の一抹の黒みの中には
砂金のような灯が混っている。 荘子は心に二つの石を投げられて家に帰って来た。蘇....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
、また天恵もないではない。湯島の温泉から年々いくらかの税金も取れる、早川から冬は
砂金が採れる。交通が不便のお蔭に物入りもなく、貧しいながらも困っているものは一人....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
・江刺・稗貫・紫波・岩手の六郡を領し、さらに南に出でて磐井郡の平泉に根拠を構え、
砂金その他の豊富なる国産によって豪奢を極め、直接音信を京師に通じて院宮・権門・勢....
「炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
旅費もなし」との述懐は、当時の都人士の憧憬れるところを露骨に歌ったものであった。
砂金を谷川の砂から探り出すにしても、岩石を鑿って鉱石を掘り出すにしても、いずれも....