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「砒石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

砒石の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
う。それとともに葉子は、男というものなしには一刻も過ごされないものとなっていた。砒石《ひせき》の用法を謬《あやま》った患者が、その毒の恐ろしさを知りぬきながら、....
三四郎」より 著者:夏目漱石
存外静かである。 「じっさいあぶない。レオナルド・ダ・ヴィンチという人は桃の幹に砒石《ひせき》を注射してね、その実へも毒が回るものだろうか、どうだろうかという試....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
食人という言葉の意味を知っているだろうね。ことに、中世の修道僧が多く制慾剤として砒石を用いていたことは、ローレル媚薬などとともに著名な話なんだ。ところが、ロダン....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
ウート号に起こった、悪疫の因がそもそもではございますが――実は私、蝋燭の芯の中に砒石を混ぜておいたのです。そして、立ち上がる砒の蒸気で、数多の人の命を削ってまい....
赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
がら、妾がふっと怒って見せたら笑って機嫌よく飲んだものだよ」 「南蛮渡来の眠薬に砒石を雑ぜたこの薄茶、さぞ飲み工合がようござんしょう」 「一思いに殺さばこそ、一....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
おいて、両国の矢場のおさめという数取女が同じような怪死を遂げた。 検視の結果、砒石《ひせき》か鳳凰角を盛られたものだということがわかったので南番所係で大車輪に....
徳育如何」より 著者:福沢諭吉
きものにして、舌に触《ふる》れば、即時に斃《たお》る。その間に時なし。モルヒネ、砒石《ひせき》は少しく寛《かん》にして、死にいたるまで少しく時間あり。大黄《だい....
食道楽」より 著者:村井弦斎
の粉。 ○色付菓子には危険のもの多し。青き色には緑青毒の混じたるあり。紅き色には砒石《ひせき》の混じたるあり。坊間《ぼうかん》に販売する染色料の唐紅は多量の砒石....
食道楽」より 著者:村井弦斎
包むから酸類の中毒には応急手当として生玉子を飲む。譬えば緑青《ろくしょう》中毒や砒石《ひせき》中毒は羽毛かあるいは筆の先で喉《のど》をくすぐって胃中の物を吐出さ....