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研き
「研き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
研きの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
さが優って居るとでもいうのでしょう、一方は天真爛漫の美で、一方は研《みが》ける丈
研き揚げた美という者です、是だけの違いは有っても、其の実は同じ者だという事が、能....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
――運命と鼻の表現(一) その人の個性及び、その個性がその人の修養と経験とで
研き上げられた人格とが、鼻の表現の変化の根柢を作っている事は、今まで研究して参り....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
などに出て、温めねば鼓さえ凍るほどなを、手に覚えのなくなるまでも寒稽古励んで腕を
研き、互いに名人の域に達せねば止まじと振舞うたので、この道の達者世に続出して、自....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
、もって一つには家門の誉れ、一つにはこれによって己らの麁野《そや》なる生活状態に
研きをかけたいという希望も添うのである。したがって彼らは遍歴の公卿のために宿を貸....
「吹雪のユンクフラウ」より 著者:野上豊一郎
な石造の建物で、レストランの外にホテルも経営している。広いサロンに入って行くと、
研き立てた板敷の床にテイブルが白布を掛けられて幾つも列んで居り、どのテイブルにも....
「寄席行灯」より 著者:正岡容
の閃きを皆無たらしめんとして、かかる愚かしきなんせんす舞踊の特技をば、ことさらに
研き、身につけていたのではなかったか、と。あたかもそのかみの歌舞伎女形、「疝気《....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
を開けた所がすぐに茶の間で、神棚、長火鉢、茶箪笥といった小道具よろしく、夫婦者が
研き込んだ銅の銅壺でお燗をしながら小鍋立をしていたりしたのを見た記憶があるが(下....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
じょう髯とは。――しかし、人間の差は、年にはよらないものである。質でありまた質の
研きによる。平常の修養鍛錬がものをいうことになると、王者と貧者とでも、この違いは....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
思わない。従って、ここの領主の内福なことも分るし、武器の庫には、槍鉄砲がいつでも
研きぬいてあるだろうという想像もつく」 「なんだ、なにを感心しているのかと思った....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
護りたまわんがために、悪を掃い、魔を追うところの降魔の剣であり――また、人の道を
研き、人の上に立つ者が自ら誡め、自ら持するために、腰に帯びる侍のたましいであるか....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
」 仇と呼び合う者とはいえ、絶えたる者はなつかしい。まして、互いに砥石となって
研き合っている仇である。 武蔵はむしろ、心待ちしていた消息でも手にしたように、....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
、まだ触りそうな髱を気にして、お米の側へ腰をかける。 「お風呂の帰り? ずいぶん
研きたてたこと」 「そりゃ私にだって、見せたい人が半分ぐらいはありますからね」 ....
「三国志」より 著者:吉川英治
野は撩乱の花と丈長き草におおわれていた。日もすでに暮れかけると、大陸の冷気は星を
研き人の骨に沁みてくる。啾々として、夜は肌の毛穴を凍らすばかりの寒さと変る。 ....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
を打って、綱線を綰ねて叩き潰して更に夫を引き伸したような山の空線は、山体に磅※き
研きに研いて、蛍石のような輝きを帯びた晶冽の気と化し、更に大空と映発して、偉大な....