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研師
「研師〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
研師の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「怪異に嫌わる」より 著者:豊島与志雄
。 坪井君は無気味に思いながらも、その刀を伯父に返すのを惜しがった。そして或る
研師の手にかけたところ、刀は無銘ながら、確かに青江の相当のものだとのことであった....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
る。私は児戯に類した言によっておのれを飾りはしない。もとより下層の者には、乞食や
研師《とぎし》や惨《みじ》めな奴《やつ》らには、何かがなくてはならない。彼らには....
「四十八人目」より 著者:森田草平
鞘を払った。そして、行灯の灯影に曇りのないその刀身を透してみた。新刀ながら最近|
研師の手にかけたものだけに、どぎどぎしたその切尖から今にも生血が滴りそうな気がし....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
の随一人といわれた彼の高橋鳳雲の息子に高橋定次郎という人があって(この人は当時は
研師であった。後に至って私はこの人と始終往復して死んだ後のことまで世話をした)、....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
一見して後、 (つまらぬ鈍刀ばかりをお前の家では手がけていると見えるな。そういう
研師の手にかけるのは心もとない。わしが頼もうという刀は肩に負っているこの物干竿と....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ましい研所と書いてあるけれど、何の商売でしょう?」 「本阿弥門流とあるから、刀の
研師であろう。――刀は武士のたましいというから」 そう答えて、武蔵は、 「そう....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
」 と眼八は、濁りのない声で、言いきった。 ゆうべ、手先の眼八は、免許町の刀
研師大黒宗理の店へ寄って、ある兇行に使われた小柄の目利をして貰っている間に、思い....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
冶のふいごや鎚音もしていた。床場の内では、弓の弦師、具足の修理、くさずりの縫工、
研師、塗師、革裁ち、柄巻き、あらゆる部門の職人が見える。そして大きな切炉の膠鍋か....
「べんがら炬燵」より 著者:吉川英治
、お麗は話題をさがすことに努めた。 「お父様」 「なんじゃ」 「きょう、露月町の
研師が、この間お渡しあそばした十振の刀のうち、祐定と、無銘と、二本だけを仕上げて....