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砥石
「砥石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
砥石の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
下にあたる処にしつらえられた玄関を出た。そこの石畳は一つ一つが踏みへらされて古い
砥石《といし》のように彎曲《わんきょく》していた。時計のすぐ下には東北御巡遊の節....
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
》の灰吹を私に掃除させるのに、灰吹の筒の口に素地《きじ》の目が新しく肌を現すまで
砥石《といし》の裏に何度も水を流しては擦《す》らせた。朝の早い父親は、私が眠い目....
「温泉」より 著者:梶井基次郎
証拠である。 家の入口には二軒の百姓家が向い合って立っている。家の前庭はひろく
砥石のように美しい。ダリヤや薔薇が縁を飾っていて、舞台のように街道から築きあげら....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
ではないけれど、遠くは北の方、飛騨山脈や、近くは西の方木曾山脈の山々の、雪や氷の
砥石に、風の歯は砥がれて、鋭くなり、冷たさがいや増して、霧を追いまくり、かつ追い....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
、かゝる善女に結縁の良き方便もがな、噫思い付たりと小行李とく/\小刀取出し小さき
砥石に鋒尖鋭く礪ぎ上げ、頓て櫛の棟に何やら一日掛りに彫り付、紙に包んでお辰|来ら....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
。」 ――田舎擦れてゝも巴里擦れていない。中味は生の儘だね。まだ……だから巴里の
砥石にかけるんだ。生い/\しい上品な娘に充分なりそうだよ。」 熟し切った太陽の....
「露肆」より 著者:泉鏡花
して下さい、口は綺麗にして下さいまし、ねえ、私が願います、どうぞ諸君。」 「この
砥石が一|挺ありましたらあ、今までのよに、盥じゃあ、湯水じゃあとウ、騒ぐにはア及....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
見逃すはずはございません」 海舟は煙草盆の下のヒキダシからナイフをとりだした。
砥石をひきよせ、水にしめしてナイフをとぎはじめた。
砥石とナイフは彼の座右の必需品....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
、めいめいが思い思いのところへ探偵にでかけた。 ★ 海舟は
砥石をひきよせ、しずかにナイフをといでいる。とぎ終ると、ナイフを逆手にもって、チ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
機の如くに語ってごらんな」 海舟は手をのばしてタバコ盆のヒキダシから、ナイフと
砥石をとりだした。 ★ 天王会は広大天尊、赤裂地尊という天....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
らしく、彼のお膳の横には竹の皮がちらかっている。 海舟は食後の茶を味わい、再び
砥石に水をしめしてナイフをといだ。静かにとぎ終って、薄い刃に吸いこまれるように眺....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
、継はぎの膝かけを深うして、あわれ泰山崩るるといえども一髪動かざるべき身の構え。
砥石を前に控えたは可いが、怠惰が通りものの、真鍮の煙管を脂下りに啣えて、けろりと....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
で三丁四面余あります。その屋敷の大門の片脇には兵士が立番をして居る。その大門から
砥石のような広い段垂の道を登り形に行くこと二丁余り、その道の左側には兵営もありま....
「味覚馬鹿」より 著者:北大路魯山人
を二日もつけておく人がある。ほうれん草は、台所用いけばなにあらず。 *
砥石は庖丁に刃をつける時に使え。使用後の手入れをちょっと怠けると、すぐに庖丁はさ....
「えぞおばけ列伝」より 著者:作者不詳
う.言うままに何か与えると,いくらでも手を出して,きりがない.そこでありあわせの
砥石を真赤に焼いて,手のひらにのせてやると, 「無いなら無いと,なぜ言ってくれん....