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砲丸
「砲丸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
砲丸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
ましたか」
と大通り近くに来てからお袋が婆やに尋ねた。
「何があなた。皆んな鉄
砲丸のような人たちでな」
婆やはそう不平を訴えずにいられなかった。
「私の方に....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
ると、よし子が立った。また柵のそばへ寄って行く。二人が三人になった。芝生の中では
砲丸投げが始まった。
砲丸投げほど力のいるものはなかろう。力のいるわりにこれほ....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
「外側は御覧のとおり毛糸で編んであります。しかしこれは単なる袋ですよ。中身は鉄の
砲丸です、あの競技に使うのと同じですが、非常に重いです。こっちから御覧になると、....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
き水の上にきらきらと煌めいたり流れたりしていた。果もの屋の溝板の上には抛り出した
砲丸のように残り西瓜が青黒く積まれ、飾窓の中には出初めの梨や葡萄が得意の席を占め....
「縮図」より 著者:徳田秋声
のなかで待機しているうち、窮屈な地下生活に我慢ができず、いきなり飛び出した途端に
砲丸にやられ、五体は粉微塵に飛び、やっと軍帽だけが送り還された。またこの町内のあ....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
連合艦隊旗艦松島号は他の諸艦を率いて佐世保に集中すべき命を被りつ。捨てばちの身は
砲丸の的にもなれよと、武男はまっしぐらに艦とともに西に向かいぬ。 ....
「惜別」より 著者:太宰治
の背中に爆裂弾をしばりつけて敵の火薬庫の屋根に舞い降りるようにするとか、または、
砲丸に唐辛子をつめ込んで之を敵陣の真上に於いて破裂させて全軍に目つぶしを喰わせる....
「記録狂時代」より 著者:寺田寅彦
きのレコードは単に閑人の遊戯ばかりともいわれない。考えようによってはランニングや
砲丸投げなどのレコードよりもより多く文化的の意義があるかもしれない。体力だけを練....
「納豆合戦」より 著者:菊池寛
豆を一|掴みずつ渡しながら、 「さあ、これから、戦ごっこをするのだ。この納豆が鉄
砲丸だよ。これのぶっつけこをするんだ。」と、言いました。私達は二組に別れて、雪合....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
服の裾に弾が通ったが幸に怪我はせなかった。その後旅順方面で彼の穴籠りなどもして、
砲丸の下に往来した末が、旅順の陥ると共にまた奉天から鉄嶺を越して、何とかいった地....
「日本文化私観」より 著者:坂口安吾
ればならぬと極っていた。ふとった重い男は専ら投擲の方へ廻され、フィールドの片隅で
砲丸を担いだりハンマーを振廻していたのである。日本へも来たことのあるパドックだの....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
する。九州の落武者の大ヨタモノの相撲の選手が糞馬力で投げてみたって、十二ポンドの
砲丸が七八|米ぐらいしか飛ばないものだ。私がヒョイと投げると十一米ふッとぶのであ....
「歳時記新註」より 著者:寺田寅彦
ある。稲妻のぴかりとする時間は一秒の百万分一という短時間で、これに照らして見れば
砲丸でも止まって見える。あまり時間が短いから左程強く目には感ぜぬが、その実、月の....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
方、使い方というものがゴルフによって会得しうるのである。 今にして思うと、私の
砲丸投や円盤投のフィニッシュには狂いがあった。腰が流れていたのである。あのころは....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
てたのであろう。西の方が一米位高いかもとも思われた。 黒部の谷の空では、時折り
砲丸でも破裂したように、真白な雲の塊がだしぬけに湧き出して、匐うように広がり始め....