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破れかぶれ
「破れかぶれ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
破れかぶれの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
う一種の快感だった。 陽子への面あてが咄嗟に放浪を思いつかせる――この衝動的な
破れかぶれは、ませてはいても二十三歳という歳のせいか、それとも教養のなさか、身に....
「競馬」より 著者:織田作之助
、子供のように吸ったりすることが唯一《ゆいいつ》のたのしみで、律義な小心者もふと
破れかぶれの情痴《じょうち》めいた日々を送っていたが、一代ももともと夜の時間を奔....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
思い上がってでもいたのか、それともまた、せっかくくふうした商売を妨げられた恨みに
破れかぶれとなっていたものか、あるいはみずから名のったごとき南部藩食いつめの、放....
「世相」より 著者:織田作之助
不良になって、何だいと尻を捲くるのがせめてもの自尊心だ。闇に葬るなら葬れと、私は
破れかぶれの気持で書き続けて行った。 三 あれから五年になると、夏の夜の「ダイ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
平気で澄ましていた。しかし年の若い長太郎はなかなか落ち着いていられなかった。彼は
破れかぶれの度胸を据えて、いっそお雪を脅迫して何処へか誘拐して行こうと企てたが、....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
風流口調の軽薄さ。おまけに、自虐か自嘲か、われよりアバタを言い触らすとは、いっそ
破れかぶれか……。 「いや、あれもこれも皆このアバタのひけ目の成せる業だ」 と....
「天馬」より 著者:金史良
まならずで悶々としていたが、或る年、女を斬りつけた罪で送還を余儀なくされ、ついに
破れかぶれの気持で朝鮮へ引き上げたのである。それからは朝鮮語で奇を衒《てら》うよ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
で、崕の上に瞰下ろして踏留まる胆玉のないものは、いっその思い、真逆に飛込みます。
破れかぶれよ、按摩さん、従兄弟再従兄弟か、伯父甥か、親類なら、さあ、敵を取れ。私....
「小さな山羊の記録」より 著者:坂口安吾
、南アルプスから八ヶ岳、北アルプスへと、次第に山のふところへ深くはいって行く時、
破れかぶれともいうような私の胸の思いが、いくらかでも、澄み、少年の日のような幼く....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
示にかかり易い娘と見こんで、やったまでのことですが、ほかに証拠が一ツもないので、
破れかぶれ窮余の策というわけでした。うまくいったらオナグサミというところでしたね....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
。ジリ、ジリ、ジリと後退り、またもやグルリと身を翻えすと、窮鼠かえって猫を噛む。
破れかぶれに旅人眼掛け、富士甚内は躍り掛かって行った。 「馬鹿め!」と訛ある上州....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
吉はじっと冴子を見つめた。 悪趣味というより、まるでメチャクチャだった。まるで
破れかぶれの宣言みたようだった。が、露悪家を装うことによって、信吉はキッカケを与....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
」 重太郎は追掛けて、又|其の袂を捉えた。 お葉を追い捉えた重太郎は、定めて
破れかぶれの乱暴を始めるかと思いの外、彼は矢はり温順い態度であった。が、其の湿ん....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
れが望むこと以外には、なにも行なってはならぬということを、はっきりさせてやろう。
破れかぶれの言葉は吐き出された。だが、それだけでおしまいだった。そして、協議のま....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
も、ほとんど絶望であることが発見されてのち詠み出でた歌であります。ちょっと見ると
破れかぶれの歌にも見えますけれどもそうではありません。悲観の極は例の弾機仕掛けに....