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「破れ衣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

破れ衣の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
々《よう/\》改心をしましたのさ、仕方がないから頭髪《あたま》を剃《そり》こかし破れ衣を古着屋で買ってね、方々托鉢して歩いて居る中《うち》、此の観音様のお堂には....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
於てスリ取った不埒者匿うことが、何の慈悲じゃッ。何の済度じゃッ。大慈大悲とやらの破れ衣が、通らぬ理屈申して、飽くまでも今の女匿おうと意地張るならば、日之本六十余....
道標」より 著者:宮本百合子
その人間苦を主題にして、武士階級の没落を描き出そうとしたものであったが、肩つぎの破れ衣裳を着てぼろ屋のうちに展開される貧しさや苦悩は、貧乏くさくてベルリンにいる....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
代の魂が残存してるかのようであり、その魂は美しい裸体にふたたびもどるため、近代の破れ衣を脱ぎ捨てたがってるかのようだった。 かかる詩の全体からは、ヨーロッパ以....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ても、六波羅へ送りこまれた。 かつての月卿雲客も、人違いするばかりな窶れ方やら破れ衣のまま、怪しげな竹籠、伝馬、板輿などで、七条を東へ、河原のぼりに入洛して来....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
部の喜界島にも残っていた。昔ある処で二十三夜の集まりをしている家へ、見すぼらしい破れ衣を着た一人の旅人が尋ねて来て、祭の仲間に入れてくれという。通例こういう者は....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
らぬ荒野の生活記録として世の批判を受けねばならぬものであろう。戦災者はいま戦災の破れ衣を脱いで新しい平和の服に着がえようとしている。私も今この書をぬけがらのごと....