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破格
「破格〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
破格の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
全然ない訣《わけ》ではない。ただルクソオ・ミンズの名のもとに(ルクソオ・ミンズは
破格の意味である。)軽蔑されているだけである。ちょうど僕等の一妻多夫も文明国の軽....
「星座」より 著者:有島武郎
日以来面会を求めている年の若い婦人だと知れる。その婦人に対してある好奇心が動く。
破格の面会を許す。
もうそこにはマラーはいない。醜《みにく》い死骸《しがい》に....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
筈をフランシスから知らされていた僧正は、クララによそながら告別を与えるためにこの
破格な処置をしたのだと気が付くと、クララはまた更らに涙のわき返るのをとどめ得なか....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
長の説明によって、このような立派な館に客となることができたのだった。 これらの
破格の取扱いは、すべて秀蓮尼の信用によるものらしかった。不思議なる人物秀蓮尼! ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
るを得なかった。 彼は一冬を天幕で暮らした。貴族の御曹司たる彼としては、まさに
破格の生活であった。難行苦行の生活であった。食物にも不足した。着る物にも不足した....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
している。一体どうしたというのだろう」 万般が法則に叶っていて、それ一つだけが
破格だけに、彼には不思議でならなかった。 「納屋で無し厩舎で無し、湯殿で無し離座....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
、わかりの早い人である。そこで所長にうまく話こんでくれた。その結果、岡部一郎は、
破格《はかく》の出張を命ぜられることとなった。 生れてはじめての遠い旅行である....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
雪叟が小鼓を緊めたのを見て……こう言って、恩地源三郎が儼然として顧みて、 「
破格のお附合い、恐多いな。」 と膝に扇を取って会釈をする。 「相変らず未熟でご....
「妖婆」より 著者:岡本綺堂
、無事であった。かれに銭をあたえて通ったという森積は、その翌年の正月に抜擢されて
破格の立身をした。 その後、この横町で、ふたたび鬼婆のすがたを認めたという者はなかった。....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
だしく書くにも及ぶまい。 「紋太郎とやら、見事見事! 遠慮はいらぬ褒美を望め!」
破格をもって家斉公は直々言葉を掛けたものである。 「私、無役にござりまする。軽い....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
の謎が、籠っているのだ、人形にはな! だからよ小判一枚と、青差一本というような、
破格な高価で買ったのさ! そうでなかったらこんな人形、そんな高価で買うものか! ....
「五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
げた。 「その者直々俺が調べる」 秀吉は正家にこう云った。 そこで五右衛門は
破格を以て秀吉の御前へ引き出された。 「俺の体に隙があったと、こうお前は云うのだ....
「最初の出品画」より 著者:上村松園
おられたくらいのもので、蘭香さんは当時もう六十歳くらいの御年齢でしたから、まるで
破格の待遇であったわけだ。東京から跡見玉枝さんなどがこの博覧会に出品されたように....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
京日日新聞』――招待の芝居見物――初めて書く劇評――各社の劇評家――小芝居見物は
破格 男女合併興行の許可 岩井粂八――女団洲――突然の許可――何らの反響なし――....
「寺町」より 著者:岩本素白
にこの駕籠を用いさせたことを思い出した。然しそれは万事に質素な其の時分でも、ちと
破格過ぎることであった。その折の写真を見ると、流石に当年文壇の第一人者だけあって....