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破獄
「破獄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
破獄の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
いたもんだから、すばやくこの死人といっしょに寝棺の中へへえってしまって、まんまと
破獄させてやったというんですよ」 「じゃ、どこへ飛んだか、行き先もたいてい見当が....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
には及ばぬ。大丈夫だ。」と答えた。それで話は終った訳だが、一般には、近い中に救助
破獄が行われるだろうと固く信じられている。監獄では厳重な警戒が張られた。日夜の心....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
い。眼を白くして縮み上ったという。 或る夜のこと、死刑にする筈の四人の囚人が、
破獄したという通知が来たので、奈良原典獄は直ぐに駈付けて手配をさせた。そうして自....
「キチガイ地獄」より 著者:夢野久作
れでは事実を打ち割って告白致しますが、何を隠しましょう、私は殺人犯の前科者です。
破獄逃亡の大罪人です。婦女を誘拐した愚劣漢であると同時に、二重結婚までした破廉恥....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
条|力《つとむ》であります。この人は曾《かつ》て甲府の牢に囚《とら》われていて、
破獄を企てつつ宇津木兵馬を助け出した奇異なる浪士であります。 その南条力と向き....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に、気をつけて見れば、それと気のつけらるべき男が一人あります。 それは、甲府の
破獄以来のことを知ったものには、指して言いさえすればすぐわかることなので、あの時....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
、その老い行く身を革命運動の中に投じて、あるいは秘密文書の配付に、あるいは同志の
破獄の助力に、粉骨砕身して奔走するあたり、僕は幾度か巻を掩うて感涙にむせんだ。『....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
仕事によって暗黒な用途のために暗黒の中で作り出される驚くべき手工品の一つであり、
破獄の道具にほかならない驚くべき品物の一つだった。異常な技術に成ったそれらの恐る....
「流転」より 著者:山下利三郎
川上は帰ってしまったのだ……それから私はこんな氷雨ふる夜を捕吏に逐われて逃げ廻る
破獄囚のことを考えながら、あの窓から覗いて……あの煙草屋の前を力なげに歩んでいる....