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破算
「破算〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
破算の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
骨折って見たじゃないか。しかしだめで、もうちゃんと婚礼が済んで見れば、何もかも御
破算さ。お浪さんが死んでしまうか、離縁にでもならなきゃア仕方がないじゃないか。そ....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
ら、困ったもんだね」 検事が苦笑した。 「ねえ検事さん。あなたは本当に捜査をご
破算にして出発点へかえられたんですか」 ずっと沈黙して、聞き手に廻っていた帆村....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
浦種則氏は美代子さんに向って、自分もこの条件に賛成ではない。兄博士からの縁談は御
破算にして、自分一個と美代子さん、自分が美代子さんをお嫁にいたゞく、改めてそれを....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
たがた浮気の演習をやらせる、それが酒の肴で、これは頗る面白い。あげくにタヌキ屋が
破算壊滅に及んでも、こつちの身には関係がなく、人生面白し面白し然し彼は外にも忙し....
「魔都」より 著者:久生十蘭
とう化の皮が剥がされてしまった。今までの苦心も大スクープの夢も、一切合財これで御
破算になってしまうのであろう。それにしても相手が悪い。さすがに鉄面皮の加十も狼狽....
「回想録」より 著者:高村光太郎
派や後期印象派のような仕事が段々やっているうちにそれではどうにも行かなくなって御
破算になり、正直に自分の見たものを描くより仕方がないというに立到った。岸田君は余....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
なう、映画界の指導者としての東宝は赤化組合に引ずられてまごつくよりも、全面的に御
破算ですすむ大英断を必要とするときである。それには我々はハリウッドの企画製作監督....
「二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
は一つの意匠であるか」 *8 「幸福」の私生児、僕はいっさいの契約をご
破算にした。僕の仇敵は「虚無」という怪物であり、僕は至る所で彼の兄弟に出会した―....
「廃墟(一幕)」より 著者:三好十郎
国民全部に、広い意味での戦争責任の自覚――そこから来る反省――つまり、何もかも御
破算にした上でわし等は出発し直さなくては、日本の再建は出来ないと私は―― 誠 違....
「猿の図」より 著者:三好十郎
たって、こうなってしまうと、古証文を持ち出されちゃ迷惑する。つまりなにもかにも御
破算だからね。それさ、私の言うのは。だのに君たちだけが、昨日のことは忘れてしまっ....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
上から揶揄の再挑戦状まで舞い込んで来たが、参ったことにして、その後、つい約束は御
破算にしてしまった。▼「北院御室御集」のうろ覚えが今なおどこかに残っていたのは、....