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「硝薬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

硝薬の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
ので、英臣は、面を背けて嘆息し、たちまち狙を外らすや否や、大夫人を射て、倒して、硝薬の煙とともに、蝕する日の面を仰ぎつつ、この傲岸なる統領は、自からその脳を貫い....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
ない。 汀で、お誓を抱いた時、惜しや、かわいそうに、もういけないと思った。胸に硝薬のにおいがしたからである。 水を汲もうとする処へ、少年を促がしつつ、廻り駈....
予言」より 著者:久生十蘭
うんです。私がここにいて、秒針を数えますから、「さあ」といったら射ってください。硝薬だけで、弾丸は入っていませんから、ご心配なく、といって安部の手に拳銃をおしつ....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
てつくった車に、ガーネットとサービスが、かいならした二頭のラマをつけ、車の上には硝薬、食料、鉄の大なべ、数個のあきだるをのせ、勇みに勇んで左門洞を出た。 風あ....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
びて廻った万吉の足が、ウム! とその片肘を蹴払った。 とたんに、ズドーンという硝薬のひびき。的を狂わせて天空へ音波をゆすッた。 徒労になった轟音に、耳をガン....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
があがるとともに、出丸曲輪の工事は成り、石垣の普請は近く手を離れるばかり、火薬は硝薬庫にみち、兵船はそろい、家中の士気は揃ってくる。すべてが、不思議なほどトント....
三国志」より 著者:吉川英治
「発石車とは何か」 「それがしの領土に住む、名もない老鍛冶屋が発明したもので、硝薬を用い、大石を筒にこめて、飛爆させるものであります」と、図に描いてみせた。 ....
三国志」より 著者:吉川英治
。轟然、どこかで一発の石砲がとどろいた。その砲声からしてすでに北国にはない強力な硝薬の威力を示している。 「すわ」 と、さわぎたつ間もない。山の麓近くの江から....
三国志」より 著者:吉川英治
っていた。火煙を吐くのも、咆哮するのも、また進退するも、すべて内部に仕掛けてある硝薬と機械の働きだった。もちろん前代未聞の新兵器で、孔明の考案によるものである。....
三国志」より 著者:吉川英治
が終ると、南安城への攻撃を開始した。そしてもっぱら、流言を放って、 「柴を積み、硝薬を用いて、火攻めにして陥さん」 と、敵へも聞えるようにいわせた。 夏侯楙....
雲霧閻魔帳」より 著者:吉川英治
たが、やがて、塗籠の隙間から異臭のある煙が洩れだしたので、 「気をつけろ、中に、硝薬があるッ」 と、ひとりが呶鳴った。 直感に、さっと、無数の影が、往来へ散....