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「硬化〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

硬化の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
将軍」より 著者:芥川竜之介
した。 「お前も大元気にやってくれ。」 こう云われた堀尾一等卒は、全身の筋肉が硬化《こうか》したように、直立不動の姿勢になった。幅の広い肩、大きな手、頬骨《ほ....
片信」より 著者:有島武郎
に『ブルジョアジーの生活に浸潤しきった人間である』にしても、そのために心の髄まで硬化していないかぎり、狐《きつね》のごとき怜悧《れいり》な本能で自分を救おうとす....
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
造人間の標本は、まるでみいらの殿堂に入ったように、怪しい表情を天井にむけ、永遠に硬化した肩と肩とを組み合わせていた。 ペンは始めて見る室々の怪奇さに、揉み手を....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
ーテンスは、右の靴の先で、軽くリノリウムの床を叩いていた。水戸記者は塑像のように硬化している。 「今だッ!」 時計係の声は、咽喉から血が出るような声で叫んだ。....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
に、只管哀訴嘆願して判官の心証を動かそうとする所が見える。この態度が後にだん/\硬化して行く所が注目に値するのである。 古我氏はこの上願書を受取って鳥渡眉をひ....
海底都市」より 著者:海野十三
め五名の魚人代表は、しきりに彼らの郷里と連絡をとっていたが、日ましに彼らの態度は硬化してきて、これでは間もなく会談は決裂して、両方は武力をもって解決するという道....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
ね」 と、やさしく言いかけて、姿を消した。 エンゼルが去ると、記代子の態度は硬化した。 「私、幸福よ」 まるで宣言であった。 「ハア。ぼくも、野中さんから....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
下肢にも、どちらにも片側だけに起るもので、体温は死温に等しくなり、また、脈は血管硬化のために、触れても感じないというほど、微弱になってしまうのです。 艇長が、....
次郎物語」より 著者:下村湖人
とに、私ももう七十歳をこしてしまったことだし、生命に別条がないとしても、脳味噌の硬化はさすがに争えないものがあるのだから、めったな約束はしない方がいいだろうと思....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
のが悪いのであり、血色のよいのがよくないのであった。彼は今日の病名でいえば、動脈硬化症の末期なのであった。いやそれよりもっと悪く、すでに中風の初期なのであった。....
嘘の効用」より 著者:末弘厳太郎
きに至れば法あれども法なきと同じ結果におちいるのです。 同じことは官吏の責任の硬化現象からも生じます。役人といえども飯を食わねばなりません。妻子も養わねばなり....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
だろう。 夫人はいささかヒステリー的でいらせられるらしいが、一人ぎめの人生観が硬化状態にあって、ユーモアを解し、市井の人情を解する柔軟性がない。自分の殻を破ろ....
地上」より 著者:島田清次郎
の間に一脈の生気を通わして、いつとなく一人一人が小さい殻に閉じ籠ろうとする生活の硬化を揺るがし湧立たせるだけでも必要と言わねばならなかった。殊にこの年のように人....
」より 著者:犬田卯
囲ってあった第二号も「解職」したということであったし、第一、ご自身が酒からの動脈硬化で全く「再任には堪え得なかった」であろうが、しかしそれも大したこともなくやが....
小山内薫先生劇場葬公文」より 著者:久保栄
まま四谷南寺町七番地の自宅に送られ、同日午後十一時ついに永眠せられた。宿痾の動脈硬化症による心臓麻痺のためである。遺族、近親は遺骸を二階十畳の間に安置し、喪を秘....