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「硬度〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

硬度の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
チン、チン」 「チン、チン」 鳴きだしたこおろぎの声にまじって、質の緻密な玉を硬度の高い金属ではじくような虫も鳴き出した。 彼はまだ熱い額を感じながら、城を越えてもう一つ夕立が来るのを待っていた。....
軍用鮫」より 著者:海野十三
「軍船は、どうして走るか。船底はどのくらい硬いか。スクリューは何でできていて、硬度はどのくらいか」 などと、記憶をよびもどしたり、結局軍船の攻撃要領を次のよ....
鼻の表現」より 著者:夢野久作
銅臭に囚われた人、或は金ピカ自慢の方なぞがこの部類であります。いずれにしても或る硬度にまで凝り固まった融通の利かぬタチで、中には合金や鍍金、流し金なぞで満足して....
シナーニ書店のベンチ」より 著者:宮本百合子
うものがある。思想的傾向とか、主要観念とかいうものの他、その人の心理的なテンポ、硬度、音波がある。媒介物である文字さえ文法的に正確に捕えたら、その作物の全リズム....
死後の恋」より 著者:夢野久作
の色を御覧なさい。青玉でも、紅玉でも、黄玉でも本物の、しかも上等品でなくてはこの硬度と光りはない筈です。これはみんな私が、彼女の臓腑の中から探り取ったものです。....
バルザックについてのノート」より 著者:宮本百合子
おり、 「ワイルドがその中で鉱滓となってしまった熱の中でドストイェフスキーは輝く硬度宝石に形づくられた。」 巨人の檻 バルザックは、徹底的に、....
ツワイク「三人の巨匠」」より 著者:宮本百合子
ツワイクの「三人の巨匠」p.150 ○ワイルドがその中で鉱滓となってしまった熱の中で(監獄)ドストイェフスキーは輝く硬度宝石に形づくられた。 ○災厄の変化者、あらゆる屈辱の価値の変革者としてのドス....
「沈黙」の話」より 著者:豊島与志雄
ってみたくなろうというものだ。 沈黙が金剛石であるとすれば、その結晶的純粋さと硬度とを以て自己を磨くことが、至極の修練となるわけであろう。面壁三年の例は云うま....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
のだ。そうして、さらに冷却すると、いわゆる水銀槌と呼ばれて、銀色をした鋼のような硬度に変ってしまう。だから、それが八住の体内で、体温のために軟らかくなるから、当....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
幡だったのだよ」 「そうすると、傷の両端が違っているのは?」 「それでは支倉君、硬度の高い割合に、血液のような弱性のアルカリにも溶けるものを、君は幾つ数える事が....
春雪」より 著者:久生十蘭
た。 翌日、早くから工場へやってきたので、主翼工程の管理をしている技師に預け、硬度計《ロックウェル》をあてて形材の硬度を計る、簡単な仕事をやらせていたが、それ....
骨仏」より 著者:久生十蘭
いのところまでやってみるつもりでいる、とめざましく昂奮しだした。 「日本の磁器は硬度は出るのですが、どこか煤っぽくて、どうしてもファイアンスのような透明な白にな....