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硬軟
「硬軟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
硬軟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高山の雪」より 著者:小島烏水
作は、それとは反対に岩石を擦り円め、滑らかにさせ、磨き上げるのである。ただ岩石の
硬軟に依って、時間の相違はあるが、結局同一相を呈する。山崎理学士は信州白馬岳の葱....
「赤旗事件の回顧」より 著者:堺利彦
たのであった。田添君の考え方からすれば、わたしは社会主義者であるのだから、たとい
硬軟の別はあっても、田添君らと提携すべきであるのに、ただ友人として幸徳君らとはな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
くらか軟派に傾いているかも知れないが、自分より以下の軟派はまだまだある。いわば、
硬軟両面を兼ねた自分ではある、ということに神尾が分類をしてみました。 自分の放....
「最古日本の女性生活の根柢」より 著者:折口信夫
成せられていた。「いくさ」という語の古い用語例は軍人・軍隊という意である。軍勢に
硬軟の区別を立てて、軍備えをするわけもないから、優形の軍隊といったふうの譬喩表現....
「四十八人目」より 著者:森田草平
の身に異変でもあったらどうするかと、一|途に仇討の決行を主張するものとがあって、
硬軟両派に分れていた。前者の音頭を取るものは、さきに大石と同行した奥野将監を始め....
「図書館法楽屋話」より 著者:中井正一
ったのである。 そのことは文部省の中でもその矛盾の対立を生むし、館界でもまた、
硬軟両論が相対したのである。文部省では、すでに社会教育法が二十四年度の提出法案と....
「ロボットとベッドの重量」より 著者:直木三十五
、人間に近づけ得るか、という研究の対象物となっていた物で、ゴムの厚さ、薄さ、その
硬軟の度合が巧妙に、アルミニュームの支柱を蓋《おお》うていて、その眼は、廻転をす....
「香魚と水質」より 著者:佐藤垢石
の方面に趣味を求めて進んでいく。そこで食品の特質に興味を持つ人は、水温と魚の骨の
硬軟に微妙な関係のあることを知っておかねばならないのである。爽涼、胃と味覚の活動....
「水と骨」より 著者:佐藤垢石
に関係があるようであるが、そうではない。 鰍とはやも水温の高低によって味と骨の
硬軟に密接な関係を持っている。殊に鰍は水温の低い川に棲むものほど脂肪が濃く、骨が....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
ょう。 そのために硬く粘り気のある黄楊を用いるようになりましたが、産地によって
硬軟の差があるようにも聞きました。また桜、黒檀、黒柿なども用いられ、胡桃なども多....
「日本上古の硬外交」より 著者:国枝史郎
なたより遣わす国書は依然堂々たる対等的のものを以ってなされた聖徳太子様の外交は、
硬軟自在であり、我国の威厳を昂むると共に相手国の面子をも保たしめた聖君子的外交で....
「秀吉・家康二英雄の対南洋外交」より 著者:国枝史郎
怖した彼が、家康によって撫でられたので、そこまで懐いて来たのであり、秀吉、家康の
硬軟二道の外交術が、南洋諸国を、よく日本に馴染ませた一例ということが出来る。 ....
「露伴の出世咄」より 著者:内田魯庵
海翁を尋ねて来た書生があって、小説を作ったから序文を書いてくれといった。学海翁は
硬軟兼備のその頃での大宗師であったから、門に伺候して著書の序文を請うものが引きも....
「日本画と線」より 著者:上村松園
に見受けられます。 日本画の線は、その走り具合や、重たさや軽さによって、物体の
硬軟や疎密は言うに及ばず、物その物の内面的実質までもその気持ちを如実に出すの妙が....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
義勝の言に、師直も呶々と、直義に訴えたことであった。――で、直義はここにおいて、
硬軟両論の、 いずれをえらぶか? を、迫られた形となり、さすが腕ぐみの中にじ....