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硯石
「硯石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
硯石の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
、奈良原翁はジロリジロリと見迎え、見送っていたが、やがて床の間に置いてある大きな
硯石に注目し、訪客の切れ目に初めて口を開いた。 「オイ。頭山。アレは何や」 頭....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ル、水ニ鮭《さけ》、鮪《まぐろ》ガアル、陸ニ石、糸ガアル、長十郎梨ガアル、雄勝ノ
硯石《すずりいし》モアル、渡ノ波ノ塩ハ昔カラ名高イ物デアル、アタリノ禿山《はげや....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
人を射るの眼を光らして、跳り立とうとしています。 「まあ、どこで捕りました」 「
硯石《すずりいし》の崖のてっぺんで見つけたから、仕事を休んでとっつかまえましたが....
「落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
不機嫌な私は父の机のそばにむっつり坐りました。十五六ばかりの品物が記されました。
硯石や香合。白磁の壺、掛軸や色紙。セーブルのコーヒセット、るり色の派手なもので私....
「源氏物語」より 著者:紫式部
御様子も貴人らしかった。大姫君が硯を静かに自身のほうへ引き寄せて、手習いのように
硯石の上へ字を書いているのを、宮は御覧になって、 「これにお書きなさい。硯へ字を....
「錦木」より 著者:宮本百合子
いて居る。夢のように、いつの間にか今日の名残の春鶯囀も終って、各々の前には料紙、
硯石箱が置かれた、題は「花の宴」 頭を深くたれて考え込むものもあれば色紙の泣き....
「初旅」より 著者:寺田寅彦
かく二人の写生帳の中へその主なるものを写しとったのであった。この鯨絵巻の写しや、
硯石で昔から知られた行当岬のスケッチや、祖先の出身だという一世一海和尚の墓の絵な....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
艶があり滑かさがあり、特に裏地には適したものであります。風呂敷にも好まれました。
硯石として日本一といわれる「雨畑」も甲斐の産であります。名は地名にもとづきます。....