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「硯筥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

硯筥の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
に用い慣れた寄木《よせき》の小机を置く。高岡塗《たかおかぬり》の蒔絵《まきえ》の硯筥《すずりばこ》は書物と共に違棚《ちがいだな》に移した。机の上には油を注《さ》....
姫たちばな」より 著者:室生犀星
反射して美しいさざ波を掻き立てていた。 基経は姫の棺に、香匳、双鶴の鏡、塗扇、硯筥一式等をおさめ、さくら襲の御衣、薄色の裳に、練色の綾の袿を揃えて入れた。その....
黒田如水」より 著者:吉川英治
――」と官兵衛は手を振って断った。そして隅の方に眠たげにひかえている小姓へ向い、硯筥を求めて、その扇子へ何やらしたため終ると、 「殿こそ、お謡いください」 と....
私本太平記」より 著者:吉川英治
と、奥の方で、おあるじの呼ぶ声だった。 細殿の簾に、微かな灯揺らぎが窺われる。硯筥を横に、おあるじの白い影は、いま筆を擱いたかのように、そこに独り寂としていた....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
見えれば申し分のないところ。光悦どの、使いをやんなされ。――これ、これ女、そこの硯筥硯筥」 と、取り寄せて、光悦の前へ、懐紙とそれを突きつけた。 「何を書き....