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碁敵
「碁敵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
碁敵の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「食魔」より 著者:岡本かの子
た。どの寺にも寄食人を息詰らす家族というものがあった。最後に厄介になったのは父の
碁敵であった拓本職人の老人の家だった。貧しいが鰥暮しなので気は楽だった。母親は老....
「足迹」より 著者:徳田秋声
すっかり封ぜられた磯野は、前のように外を遊び行るいていてばかりもいられなかった。
碁敵や話し相手に渇えている叔父も、磯野の寄りついて来るのを、結句|悦んでいた。医....
「旅愁」より 著者:横光利一
二三日前に久慈から来ましたが、また喧嘩を吹きかけて来た。どうも久慈とは、とうとう
碁敵みたいになりましたよ。」
「久慈さんからあたしもいただいたの。真紀子さんとも....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
》の隠居から招かれて、碁打ちに参りました。 この隠居も大中寺へ見えて、主膳とは
碁敵《ごがたき》になっているが、主膳の方がずっと強いながら、この辺としてはくっき....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
あ、大先生《おおせんせい》が死んでから、もう三年も経《た》つかなあ」 「わしも、
碁敵《ごがたき》が一人減って淋しいや、しかしまあ仕方がねえ。時に、あの倅殿《せが....
「人間繁栄」より 著者:豊島与志雄
気もなく行ってみると、伯父と一緒に静子と綾子が来ていた。伯父は同じ旅館に丁度よい
碁敵を見出して、一日中大抵その方にばかり熱中していたので、洋造は自然静子と綾子と....
「探偵の巻」より 著者:坂口安吾
から、ザマ見やがれ、と意気揚々、まづ祇園乙部の見番に杉本のおつさん(これは小生の
碁敵だ)を訪れ、日本一の豆腐の由来を説明して、案内を頼んだ。 さて、おつさんの....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
碩翁様には一方ならず、彼は恩顧を蒙っていた。役目を引いた今日でも、二人は仲のよい
碁敵であった。 「わざわざのお使者とは不思議だな」 怪しみながら衣服を改め、使....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
ら、伝二郎が大得意なのも無理ではなかった。が、なによりも、憎くもあり可愛くもある
碁敵が、もう一人めっかったことが彼にとって面白くてならなかったのである。みちみち....
「悪魔の弟子」より 著者:浜尾四郎
た所にある煙草屋です。そこにはいつも必ず主人が店にいる筈なのです。その主人は私の
碁敵で、いつもよくひまの時|烏鷺《うろ》を戦わせていたのです。それで大抵の場合、....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
しかし、負けぬ気の殿と、慷慨家で壮年の公卿様との対局は、技を別にして興のある
碁敵だ。 ここは下屋敷の一部、名づけて隣帆亭という茶席。 初更ながら深沈とし....