碁盤[語句情報] » 碁盤

「碁盤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

碁盤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
くみになっていた。園は淋しく思った。そして気がついてゆるみかかった歩度を早めた。碁盤《ごばん》のように規則正しい広やかな札幌の往来を南に向いて歩いていった。ひと....
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
記。この頃は少しは強くなったか。三左衛門、盤を持ってまいれ」 三左衛門はすぐに碁盤を持ち出して来たが、外記はとてもそんな悠長な落ち着いた気分にはなれなかった。....
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
の陰影が掠《かす》めたかと思うと、彼はいきなり立ち上って、二人の間に置かれている碁盤を足蹴にした。盤上に並んでいた黒白の石は跳び散って、その二、三は丹後の顔を打....
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
ざいを註文《ちゅうもん》すると、女夫《めおと》の意味で一人に二杯ずつ持って来た。碁盤《ごばん》の目の敷畳に腰をかけ、スウスウと高い音を立てて啜《すす》りながら柳....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、宗対馬守の息女養玉院の法名を取って養玉院と云うことになりました。この寺に高尾の碁盤と将棋盤が残っているのを御存じですか」 「知りません」 「吉原の三浦屋はこの....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
とりにして、碁会所を看板に、骨牌賭博の小宿という、もくろみだったらしいのですが、碁盤の櫓をあげる前に、長屋の城は落ちました。どの道落ちる城ですが、その没落をはや....
大阪発見」より 著者:織田作之助
にこにこしながら十燭光の裸の電灯の下でじっと坐っているのである。暖簾をくぐって、碁盤の目の畳に腰掛け、めおとぜんざいを注文すると、平べったいお椀にいれたぜんざい....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
く取り壊されてしまつたが、この小屋で見た写真で記憶に残つているのを拾つてみると「碁盤忠信」、「滝の白糸」、「祐天吉松」などというのが思い出される。 俳優などは....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
おもて門の潜戸を勇んで開けた。不意に面とむかった日本の道路の地面が加奈子の永年踏み馴れた西洋道路の石の碁盤面の継ぎ目のあるのとは違った、いかにも日本の東京の山の手の地面らしく、欠けた....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
年の一月、久松座が改築して千歳座と改称した舞台開きの時であった。狂言は一番目が「碁盤忠信」、二番目が「筆売幸兵衛」で、一番目には団十郎の「静の法楽舞」と「山伏摂....
西航日録」より 著者:井上円了
く、 街路如碁十里連、層楼処処欲衝天、通宵不断電車響、残夜猶驚孤客眠。 (街路は碁盤のごとく十里も連なり、高層の建物がところどころに天をつくほどの勢いで建つ。夜....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
りて休憩し、小餐を喫す。楼上にありて一望するに、カントン全市眼下にありて、街区は碁盤の目のごとく、江上の行舟は蟻の動くがごとし。 五層楼上望無葉艇翩翩。 (五層....
明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
築落成して、千歳座と改称し、一月四日より七日まで開場式を行う。一番目に左団次の「碁盤忠信」、二番目に菊五郎の「筆売幸兵衛」、いずれも初演にて好評。 ○一月二十三....
四つの都」より 著者:織田作之助
散らばる。 四 町。 新吉が雨の中を、新聞を配って一心に走っている。ここは、道が碁盤の目のように細かく分れているので、新吉はこの町角を右へ折れ、次の町角を左へ折....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
れないといってもらってようやくなだめ、その向いの尾張町の勧工場というので、小さい碁盤のおもちゃを買って、帰った事がある。その後、第一回の文展に出品された倉田白羊....