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碍
「碍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
碍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
の教育に寸毫《すんごう》の便宜をも与えなかった。いや、寧《むし》ろ与えたものは障
碍《しょうがい》ばかりだった位である。これは両親たる責任上、明らかに恥辱と云わな....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
》の教主、十方最勝《じっぽうさいしょう》、光明無量《こうみょうむりょう》、三学無
碍《さんがくむげ》、億億衆生引導《おくおくしゅじょういんどう》の能化《のうげ》、....
「片信」より 著者:有島武郎
合に、クロポトキン、マルクス、レーニンらの思想が、その自覚の発展に対して決して障
碍《しょうがい》にならないばかりでなく、唯一の指南車でありうると誰がいいきること....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
繰返し繰返しひたすらに眼の前を見つめながら歩いて行った。この雑鬧な往来の中でも障
碍になるものは一つもなかった。広い秋の野を行くように彼女は歩いた。 クララは寺....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
、インド霊鷲山上の説教場を空中に移したのは、真に驚嘆すべき着想ではないか。通達無
碍の空中への飛躍は、地上にあくせくする人々の想像に絶するものがある。地上戦争の常....
「振動魔」より 著者:海野十三
燈会社の工夫が入ってきて、大きい電柱を立てて、太い電線をひっぱったり、いかめしい
碍子を※じこんだりしたすえに、真黒で四角の変圧器まで取付けていった。それがすむと....
「超人間X号」より 著者:海野十三
ある大きなガラスの箱の中を見すえる。 その大きなガラスの箱は、すごく大きな絶縁
碍子《ぜつえんがいし》の台の上にのっている。箱の中には、やはりガラスでできた架台....
「若菜のうち」より 著者:泉鏡花
ある……もっと山高く、草深く分入ればだけれども、それにはこの陽気だ、蛇体という障
碍があって、望むものの方に、苦行が足りない。で、その小さなのを五、六本。園女の鼻....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
に包まれている間は、霊魂の働きに限りがあれど、一たび肉体を離れたとなれば、縦横無
碍に、ありとあらゆる悪魔的行為に耽ることができる。 嗚呼盲目なる哉地上の人類、....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
思わない。虚心坦懐、去るものを追わず、来るものは拒まずという、未練も執着もない無
碍な境地が私の心である。それ故私の趣味は常に変遷転々として極まるを知らず、ただ世....
「ルネ・クレール私見」より 著者:伊丹万作
そこへ行くと「ル・ミリオン」「幽霊西へ行く」の二作は、彼が彼の本領に即して融通無
碍に仕事をしているし、形式と内容がぴつたりと合致して寸分のすきもない。完璧なる作....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
推讃せざるを得ない。 殊に失明後の労作に到っては尋常芸術的精苦以外にいかなる障
碍にも打ち勝ってますます精進した作者の芸術的意気の壮んなる、真に尊敬するに余りが....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
獣にもドッチにもなり切る事が出来ない性格の矛盾が何をするにも二葉亭のキャリヤの障
碍となった。 二葉亭と交際した二十年間、或る時は殆んど毎日往来した。終日あるい....
「松の操美人の生埋」より 著者:宇田川文海
に長ぜりと。君一日浴後居士の室に至る、茶を煮て共に世事を談ず。君|広長舌を掉い無
碍弁を恣にして頻に居士の耳を駭かす。談偶文章と演説の利益に及ぶ。君破顔微笑して曰....
「消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
め切れませんでした。話は大分遡りますが、妻の学生時代を知っている私が、あらゆる障
碍を排して、懇望して貰った女でした。あなたは、男が女を愛するということがいかに深....