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碑銘
「碑銘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
碑銘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「光と風と夢」より 著者:中島敦
》な青年も、大悟徹底した高僧と似通ったものを有《も》っていた。平生、彼は自分の墓
碑銘とすべき詩句をポケットにしのばせていた。「星影繁き空の下、静かに我を眠らしめ....
「銀座アルプス」より 著者:寺田寅彦
れもやはりなんの役にも立ちそうもない。むしろ銀座アルプス連峰の頂上ごとにそういう
碑銘を最も目につきやすいような形で備えたほうが有効であるかもしれない。人間と動物....
「早すぎる埋葬」より 著者:佐々木直次郎
苦痛となると実に無限であった。私は死に関することばかりを考えた。「蛆虫と、墓と、
碑銘」のことを口にした。死の幻想に夢中になって、早すぎる埋葬という考えが絶えず私....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
墓じるしを指さした。その上には故人の名まえ、身分、年齢、死亡の年などといっしょに
碑銘があって、下の方には、一般に中産階級の人の墓に使われる古風な、四行詩のような....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
道を進みました。その付近や墓場の勝手を僧院長はよく心得ていました。たくさんの墓の
碑銘をほの暗い提灯に照らし見た末に、二人は長い雑草にかくされて、苔がむして、寄生....
「幻の園」より 著者:豊島与志雄
の舟を浮べました。墓地一面の金色の苔の上から、落葉を拾いました。 墓地の隅に、
碑銘も何もない小さな円い石が一つ立っていました。 「あなたの兄さんのお墓ですよ。....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
人ベルナール・ド・ブリー氏であり、その事変が起こったのは一六三七年二月である。(
碑銘は次のとおりである――最善最大なる神へ、ここにおいてブラッセルの商人ベルナー....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
を感ぜざるを得なかった。そして私は、私の無力を知りながら、この偉大な先生のために
碑銘を書きしるすことの光栄に感奮し、筆も折れよと握りしめて、そして書いた。 こ....
「青春論」より 著者:坂口安吾
しむほどの度胸はないし、過去などはみんな一片の雲になって、然し、スタンダールの墓
碑銘の「生き、書き、愛せり」ということが、改めてハッキリ僕の生活になったのだ。だ....
「中庸」より 著者:坂口安吾
拙かりし生涯をかえりみれば、有終の美をとどめたものと云うべきであろう。余は余の墓
碑銘を次の如くに記しておいた。 「中庸に敗る」....
「死と影」より 著者:坂口安吾
新しく生きるためには、この一人の女を、墓にうずめてしまわねばならぬ。この女の墓
碑銘を書かねばならぬ。この女を墓の下へうめない限り、私に新しい生命の訪れる時はな....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
ある。 悪夢は忘れるにかぎる。バカは死ななきゃ治らない、というのはその人間の墓
碑銘としては、よく生きた、という意味に当っているかも知れない。バカでなかった人間....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
灰――とこの三つしかない。ところが支倉君、この三色刷を見詰めているとだ。どうやら
碑銘を読んでくれる、死人の名が判ったような気がしてきたよ」 と云うと、検事はそ....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
て駈けよった。風雨にさらされてまっ黒になったその十字架には、からくも次のような墓
碑銘が読めるのだ。 ――R・Kという女。一八八二年にこの島にて死す。夫に死なれ....
「西航日録」より 著者:井上円了
したれば、氏はたちまち校僕を呼びて墓所へ案内せしむ。室内の東方に墓標あり、西方に
碑銘あり。この下に学界の一大偉人の永眠せるを思えば、粛然として、おのずから敬慕の....