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碑面
「碑面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
碑面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
になって見ると、その日一日心配しつづけたことがまだ岸本の胸を去らなかった。何かの
碑面にでもありそうな漢文体の文句を暗誦《あんしょう》しながら睡眠《ねむり》を誘お....
「旅愁」より 著者:横光利一
今さら彼は思うのだった。
納骨の場を掘ってくれている間に、矢代は墓石の間を廻り
碑面を読んでみた。絡りこもった野茨の蔓が白い小花をつけて石を抱き、嫩葉の重なり茂....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
は、非常に大きな五輪の石塔の前に立っている。石塔の高さは台石ともに二丈もあろう。
碑面の文字は、模糊《もこ》たる暮色につつまれて見えず、米友は、呆然《ぼうぜん》と....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に行って見ましたけれど、これが日本有数の古碑であることの考古的興味からではなく、
碑面に刻まれた、 「多賀城去京一千五百里、去|蝦夷《えぞ》界一百二十里、去|常....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
を目立たぬ街角へ放置せんとするものである。汝が詩を書かねばならぬのは、この肝臓の
碑面であるよ」 私は涙腺がシッカリしているから、とてもキチガイにウマを合わせる....
「好人物」より 著者:豊島与志雄
い原野がやってくれているから、僕は道楽の古代文字研究に耽ることが出来るのである。
碑面、塋窟の壁面、石器や陶器、其他種々の考古学的資料などについて、夥しい写真を蒐....
「霊感」より 著者:豊島与志雄
。火山岩の石塊を積みあげて、高い塚を築き、その頂に、平たい石碑を立てたものです。
碑面に、身禄山とありますが、その昔、身禄という行者があって、深山に籠り、禅の悟道....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
むしており、南無妙法蓮華経と彫刻まれてある碑も、昔ながらの位置に立っていた。その
碑面が春陽を受けて、鉛色に光っているのも昔と同じであった。 彼は懐かしさにしば....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
名だたる禅林だ。境内《けいだい》に、源実朝《みなもとのさねとも》の墓碑があった。
碑面には、金剛寺殿《こんごうじでん》鎌倉右府将軍《かまくらうふしょうぐん》実朝公....
「岩魚」より 著者:佐藤垢石
かを散歩していると、小径から四、五歩離れたところに、小さな一つの石碑を発見した。
碑面に、水戸浪士石坂儀右衛門之墓とあり、裏に儀右衛門は上野国佐波郡芝根村沼之上の....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
は昔のことであったが、肉食妻帯が許されてある今日では、もし碑を建てれば、多分その
碑面へ「歓迎葷酒入山門」と刻するのであろうか。時世が違って反対になった。 右の....
「孔子」より 著者:和辻哲郎
字攷」という非常に優れた考証を書いておられる。これは石経の断片的な残字から丹念に
碑面の文章を復元し、それによって漢石経の本文が魏の何晏の「集解」序にいうところの....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
を異にす。その前に香花を捧ぐ。また、毎戸の前隅に聚宝碑と名づくる小石碑あり。その
碑面に「来竜聚宝接引財神」と刻し、あるいは「門戸土地福神」と題し、その左右に「銀....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
い所の四ツ角に、盲でもわかるような碑が立っているのだった。「宮本吉岡決闘ノ地」と
碑面には深く彫ってある。 未発見の遺跡でも突きとめたというならよいが、こうあり....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
じつに多く、また事実、芭蕉その人も詠史に興味を持っていたものかとおもわれる)その
碑面には、 義朝の心に似たり秋の風 という句が刻んであるという。 尾崎氏がこ....