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「碓氷峠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

碓氷峠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仇討三態」より 著者:菊池寛
となしに奥州路を仙台まで下ってみた。が、それも徒労の旅だった。江戸へ引っ返すと、碓氷峠を越えて信濃を経て、北陸路に出て、金沢百万石の城下にも足を止めてみた。が、....
秋の暈」より 著者:織田作之助
行で上野を発った。高崎あたりで眠りだしたが、急にぞっとする涼気に、眼をさました。碓氷峠にさしかかっている。白樺の林が月明かりに見えた。すすきの穂が車窓にすれすれ....
クララの出家」より 著者:有島武郎
る合唱の声が、静かにかすかにおごそかに聞こえて来た。 (一九一七、八、一五、於|碓氷峠)....
自叙伝」より 著者:大杉栄
近衛から新発田へやられるもう一人の下士官と一緒に、東京を出た。僕はその旅の中で、碓氷峠を通る時のことだけを覚えている。碓氷峠にはまだアプト式の鉄道も布かれてなか....
風流仏」より 著者:幸田露伴
間の彫りまで見巡りて鎌倉東京日光も見たり、是より最後の楽は奈良じゃと急ぎ登り行く碓氷峠の冬|最中、雪たけありて裾寒き浅間下ろしの烈しきにめげず臆せず、名に高き和....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
ひなぐもり」は、日の曇り薄日だから、「うすひ」の枕詞とした。一首は、まだようやく碓氷峠を越えたばかりなのに、もうこんなに妻が恋しくて忘れられぬ、というのであろう....
木曽の旅人」より 著者:岡本綺堂
とになって、ほかの土地へ立退く者もある。わたしも親父と一緒に横川で汽車を下りて、碓氷峠の旧道をがた馬車に乗りましたが、山路で二、三度あぶなく引っくり返されそうに....
」より 著者:岡本綺堂
へでも巣を食ってしまったものと思っていますと、旦那さまと御一緒に江戸へ帰る途中、碓氷峠をくだって坂本の宿に泊りますと、その晩、どこから付いて来たのか、その鼠がわ....
猿ヶ京」より 著者:佐藤垢石
たらしいのである。 しかし、今では僻陬の寒村になってしまった。維新後、上野から碓氷峠を越え、長野、直江津と鉄道が敷かれては、この三国峠など越える人はいない。殊....
老狸伝」より 著者:佐藤垢石
。そのとき、これに呼応して北陸の上杉景勝、前田利家が相携えて大兵を進め、信州から碓氷峠を越えて上州へ攻め入った。まず松井田の城を攻め、城主大道寺政繁は坂本にこれ....
わが童心」より 著者:佐藤垢石
炊さんの煙が、なびいている。 西の空には、煙の浅間山が浅間隠し山、鼻曲がり山、碓氷峠などの前山を踏まえて、どっしりと丸く大きく構えている。一体、浅間山は南向き....
酒徒漂泊」より 著者:佐藤垢石
一 昨年の霜月のなかばごろ、私はひさしぶりに碓氷峠を越えて、信濃路の方へ旅したのである。山国の晩秋は、美しかった。 麻生豊....
濁酒を恋う」より 著者:佐藤垢石
ていた。 村の役場も、洋館建てになった。洋食屋ができて、トンカツを売っている。碓氷峠の方へ通う路は、このごろ県道になってバスが砂塵をあげて走っている。 石油....
水の遍路」より 著者:佐藤垢石
幾度も分け入った。 浅間山麓六里ヶ原を流れる、さまざまの渓流も忘れ得られない。碓氷峠の山水を飾る碓氷川、霧積川、坂本川も長い年月、我が釣意を誘うところであった....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ような雲が流れてね。や、これは話が横道に逸れてしまいましたが、砕けたところでは、碓氷峠の権現さまよ、わしがためには守り神 送りましょかよ送られましょか、せめて峠....