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「確とした〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

確としたの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
護持院原の敵討」より 著者:森鴎外
聞き出されない。それに容貌が分からぬばかりでなく、生国も紀州だとは云っているが、確としたことは分からぬらしい。只酒井家に奉公する前には、上州高崎にいたことがある....
朱日記」より 著者:泉鏡花
夜の坊主に逢った。同じ裸に、赤合羽を着たが、こればかりは風をも踏固めて通るように確とした足取であった。 が、赤旗を捲いて、袖へ抱くようにして、いささか逡巡の体....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
で皆血判がしてある、其の方も何ういう事があっても他言はせん、御意に背くまいという確とした証拠に、是へ血判をいたせ」 源「へえ血判と申しますは何ういたしますので」....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
誠に何うも面目次第もない、もう此処が辛抱の仕処だから、私は一生懸命に稼いで親父に確とした辛抱の証を見せて家へ帰る積りだが、もうあの女には懲々したから真面目になっ....
臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
の人間とが、一直線の線路の上で消えて無くなろうとは! そうだ、もう一時間経っても確とした報知がないなら、僕はコリンス方面監察といっしょに現場へ急行しなければなら....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
、間違いも起らずに済んだのでしょうが、真の恋は躊躇い、怖れるかと申しまして、私も確とした意見も言わず、あやふやに過して参りました。不幸な事には、私ども二人がこう....
とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
珠と擬宝珠との欄干の上に忙しく往来する人馬の姿はどれ一つとして生活に自信を持ち、確とした目的に向って勇ましく闘いつつある姿でないものは無い。「それに引きかえ自分....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
世に出て来たのだそうだ。 精神上の能力には不足はないのに、 手に攫まれるような、確とした所がない。 今までの所では、目方と云っては硝子だけだから、 先ず体を拵え....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
いえなくもない。勿論『新古今』編纂のことだけが目あてで和歌所が設立されたか否かの確とした証拠はないけれども、事のなりゆきから見ると、密接な関係がうかがわれる。 ....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
御尊父をお尋ね申したいと心には思って居たが、只|上州烏川の辺に住むとのみ聞いて、確とした処を存ぜんことゆえ御無沙汰に相成ったが、私も不図した事でお暇には成ったも....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ろに遊ぶ白雲のように、武蔵の足跡は、近ごろ殊に定まらなかった。 彼の歩みには、確とした一つの目的と、一定の法則があるようであってまた、ないもののようでもあった....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
は、死を期したこの危地へ来る途中で、八幡宮の社前で足を止めたということが、これも確とした史実としてどの書にも伝えられている。 ――勝たせ給え。きょうこそは武蔵....