» 確り

「確り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

確りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
弟妹の中の上の弟を語《かたら》って、三月の行糧を、山の窟《いわや》に蓄えた。姉の確りしたところで、いつも気を引立てられている勝気にも性の弱い弟は、この秘密で冒険....
食魔」より 著者:岡本かの子
るいてる方がその日その日を面白く糊塗できて気持よかった。何か一筋、心のしんになる確りした考え。何か一業、人に優れて身の立つような職能を捉えないでは生きて行くに危....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
辺から下頬が赫くなった。 何とむす子の一郎によく似た青年だろう。小柄でいながら確りした肉付の背中を持っていて、稍々左肩を聳やかし、細そりした頸から顔をうつ向き....
河明り」より 著者:岡本かの子
ならないうちに死んで仕舞った。 その最後の病床で、堺屋の妻は、木下の小さい体を確り抱き締めて、「この子供はどうしてもあたしの子」とぜいぜいいって叫んだ。すると....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
談だと思うと間違うぞ。俺ら決して冗談は云わねえ。殺すと云ったらきっと殺す。だから確り性根を据え、云うか厭か明瞭云いねえ。……ふん、畜生、云わねえ意だな! 金仏の....
血の文字」より 著者:黒岩涙香
「確かですとも、是ほど確かな事は有ません目「するとお前は藻西を見たのだね、其顔を確り認たのだね女「いえ少しお待なさい、見たと云て顔を見た訳では有ません廊下へ行く....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
りで仄々とわずかに明るい。 この時、多四郎は右の手をまた懐中へ差し込んだが何か確りと握ったらしい。と、じっと眼を据えて権九郎の背中を睨んだものである。 岨道....
天守物語」より 著者:泉鏡花
砲の音、あまたたび―― 薄 それ、皆さん。 侍女等、身を垣にす。 朱の盤 姥殿、確り。(姫を庇うて大手を開く。) 亀姫 大事ない、大事ない。 夫人 (打笑む)ほ....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
断ってる事を知ってるから、てんのぬきを誂えたぜ。」 「まあ、嬉しい。」 と膝で確りと手を取って、 「じゃ、あの、この炬燵の上へ盆を乗せて、お銚子をつけて、お前....
日置流系図」より 著者:国枝史郎
の辺が定まらない。土間へ下りると下駄を突っかけそこから仕事場を振り返り、 「おい確り見張っていねえ」 こう云ったのは忠蔵自身がやはり恐い証拠でもあろう。それで....
村井長庵記名の傘」より 著者:国枝史郎
た十兵衛の死骸、むごたらしさの限りである。 長庵は素早く近寄ったが、足で死骸を確り踏むと、左の耳根から右の耳根までプッツリ止めの刀を差し、刀を持ち替え右手を延....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
!」と厩舎へ走り、グイとませぼうをひっ外すと、飼い馬を元気よくひき出した。「さあ確り頼むぞよ。パカパカパカと景気よく、ご苦労ながら歩いてくれ。蹄の音に合わせてこ....
多神教」より 著者:泉鏡花
ど、お言葉ぞな、あれへの、おん前への。 お沢 はい――はい…… 媛神 まだ形代を確り持っておいでだね。手がしびれよう。姥、預ってお上げ。(巫女受取って手箱に差置....
山吹」より 著者:泉鏡花
打つと思って、思うさま引払くだ。可いか、可いかの。 夫人 ああ。 人形使 それ、確りさっせえ。 夫人 ああ。あいよ。(興奮しつつ、びりびりと傘を破く。ために、疵....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
苔桃や御前橘、岩鏡に高根日蔭縵、皆懐しい山の植物ではあるが、此処では其一つ一つが確りと存在を認めさせないでは置かなかった。最高点はずっと北寄りにあって、二十米余....