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磁石
「磁石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
磁石の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
顔とことにその輝く小さな両眼とがまざまざと想像に浮かび上がって来た。葉子の神経は
磁石《じしゃく》に吸い寄せられた砂鉄のように、堅くこの一つの幻像の上に集注して、....
「星座」より 著者:有島武郎
人の間にはガラスのかけらがうざうざするほど積まれていて、脚を踏み入れると、それが
磁石《じしゃく》に吸いつく鉄屑《てつくず》のように蹠《あうら》にささりこんだよう....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
。 君たちの船は悪鬼におい迫られたようにおびえながら、懸命に東北へと舵を取る。
磁石のような陸地の吸引力からようよう自由になる事のできた船は、また揺れ動く波の山....
「海異記」より 著者:泉鏡花
、頭痛だ、汝漕げ、脚気だ、と皆苦い顔をして、出人がねえだね。 平胡坐でちょっと
磁石さ見さしつけえ、此家の兄哥が、奴、汝漕げ、といわしったから、何の気もつかねえ....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
えずに来たですよ。北廓だというから、何でも北へ北へと見当を着けるつもりで、宅から
磁石を用意に及んだものです。」と云う堀子爵が、ぞんざいな浴衣がけの、ちょっきり結....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
払下案をはじめ一切の重要書類が影も形もなかった。その代り金庫の棚には大きな馬蹄形
磁石が一つ、人を莫迦にしたように鎮座していた。――人々はウムと呻ったきり、互いの....
「怪塔王」より 著者:海野十三
す。いつの間にか、あの大きな艦体が陸地へひきよせられていたというわけです。まるで
磁石に吸いよせられた釘のようなわけですよ」 「変なことですねえ」 「変なこととい....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
りこんだ。 やがて丸木舟は、櫂の音もいさましく、まっくらな海の上を走りだした。
磁石もなにももたぬ原地人たちは、星を目あてに、えいえいとこえをそろえて漕ぎゆくの....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
の先で機械を指した。 「これが身体を直立させるジャイロです。こっちが腕を動かす電
磁石装置。こっちのが脚の方です。左右二つに分れていますでしょう。首の方もついでに....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
判るのでした。 とうとう堪えきれなくなって、私はいつしか切株から離れ、あたかも
磁石に引かれる鉄片のように、一|歩良人の方へと近づいたのでございます……。 が....
「科学者と夜店商人」より 著者:海野十三
電導体である。若しこれがアベコベだったら鵜烏に小さい鉄片をつけて置いて、液中に電
磁石をしのばせれば、電
磁石の吸引力で鵜烏を水中に引っ張り込むことが出来るのだが、....
「人造物語」より 著者:海野十三
山大助君という少年が今度、人造犬を発明した、これは犬の腹中に電話器、モートル、電
磁石、高圧器、真空管、スピーカー等を材料にして、でっちあげた機械がしかけてあるの....
「取舵」より 著者:泉鏡花
。渠はその壮時において加賀の銭屋内閣が海軍の雄将として、北海の全権を掌握したりし
磁石の又五郎なりけり。....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
領された由も書き加えてある。 ローマでは、モリシニが鋼鉄の針に太陽の光をあてて
磁石にするという、あやしい実験をも附した。 五月半ばには再度ベスビアスに登った....
「露伴の出世咄」より 著者:内田魯庵
ながらも二、三枚めくると、ノッケから読者を旋風に巻込むような奇想天来に有繋の翁も
磁石に吸寄せられる鉄のように喰入って巻を釈く事が出来ず、とうとう徹宵して竟に読終....