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磊
「磊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
磊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
屋のような意気で、ぴょこぴょこと頭を下げた。そのくせその言葉はずうずうしいまでに
磊落《らいらく》だった。
「やあすみませんまったく。こちらに来るまでに計算はこの....
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
し》か三十以上だ。予は四十に近い。然も互いに妻子を持てる一ぱしの人間であるのに、
磊落《らいらく》と云えば
磊落とも云えるが、岡村は決して
磊落な質《たち》の男ではな....
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
った。 柚木は「そんな純粋なことは今どき出来もしなけりゃ、在るものでもない」と
磊落《らいらく》に笑った。老妓も笑って 「いつの時代だって、心懸けなきゃ滅多にな....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
とは、旅中の画家に対して一番親切な仕方であるというのである。逸作は、ふだん放漫で
磊落なように見えるが、処世上の経済手段は、臆病と思えるほど消極的で手堅く、画など....
「河明り」より 著者:岡本かの子
中老人は私達をじろじろ眺めて、 「普通の人にならこんな愚痴は云わないで、ただ
磊落に笑っているだけですが、判って下さりそうな内地の若い方を見ると、つい喋りたく....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
が、そこまではまだ誰も気が付かなかった。墓に埋められる前までのラザルスは快活で、
磊落で、いつも大きい声を出して笑ったり、洒落を言ったりするのが好きであった。した....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
げて得た勇気と、胆力と、沈着とによって、人びとの信用の的となっている、粘り強い、
磊落な船員の標本の一人であった。彼は愚にもつかない話に乗るような男ではなかった。....
「月世界跋渉記」より 著者:江見水蔭
感じ入ったようにいったので、ほかの人々もこの時始めて外を見た。 実に見渡す限り
磊々塁々たる石塊の山野のみで、聞ゆるものは鳥の鳴く音すらなく満目ただ荒涼、宛然話....
「三人の師」より 著者:上村松園
百年先生と全然ちがっていた。 画学校時代の松年先生は、ほかの先生方と違って豪放
磊落なやりかたで、学校でも他の先生方といくぶん意見が合わなかったのらしい。 し....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
の方に向って手を合わせて、いまわという時、立騰る地獄の黒煙が、線香の脈となって、
磊々たる熔岩が艾の形に変じた、といいます。 ちょっとどうも驚かされた。かねて信....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
に会った時に訊くと、「大変なものを見附けられた。アレはネ……」と渋柿園老人は例の
磊落な調子で、「島田の奴が馬を引張って来たので、仕方がないから有合いのものを典じ....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
デリケートな心理の葛藤を題目としている。何十年来シベリヤの空を睨んで悶々鬱勃した
磊塊を小説に托して洩らそうとはしないで、家常茶飯的の平凡な人情の紛糾に人生の一臠....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
で嚮導とならんとする也。余好意を謝してその容貌を見るに、魁偉にして筋骨|逞しく、
磊落にして豪傑肌なる快男児也。いよいよ心強く覚ゆ。氏とても塩谷温泉より登りたるこ....
「噴水物語」より 著者:岡本かの子
譬えを持って来たりして、私に新噴水の力学上の関係や構造の近代性を頻りに説明した。
磊落を装っているが、若い愛妻の詩的精神に使役されて、如何にこの噴水構造に苦心した....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
たい放題、遊び放題、無理の言いたい放題、不義理のし放題――それを、また世間でも、
磊落だとか無邪気だとか言って買い被り、苦笑しながらも黙って見ているようなことがあ....