»
磔
「磔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
磔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
三
じゅりあの・吉助は、遂に天下の大法《たいほう》通り、
磔刑《たっけい》に処せられる事になった。
その日彼は町中《まちじゅう》を引き廻....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
てんしゅ》のおん教を奉ずるものは、その頃でももう見つかり次第、火炙《ひあぶ》りや
磔《はりつけ》に遇《あ》わされていた。しかし迫害が烈しいだけに、「万事にかない給....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
、何か云いたげに佇《たたず》んでいる。南蛮寺《なんばんじ》の堂内へはただ見慣れぬ
磔仏《はりきぼとけ》を見物に来るものも稀《まれ》ではない。しかしこの女のここへ来....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
人の子」の肩を捕えて、ことさらに荒々しくこずきまわした。――「やがては、ゆるりと
磔柱《はりき》にかって、休まるる体《からだ》じゃなど悪口《あっこう》し、あまつさ....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
矢の幻。 怨念は大鰻、古鯰、太岩魚、化ける鳥は鷺、山鳥。声は梟、山伏の吹く貝、
磔場の夜半の竹法螺、焼跡の呻唸声。 蛇ヶ窪の非常汽笛、箒川の悲鳴などは、一座に....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
私はね、南京出刃打の小屋者なんです。 娘二人顔を見合わす。 俎の上で切刻まれ、
磔にもかかる処を、神様のような旦那様に救われました。その神様を、雪が積って、あの....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
えども、甘んじて覚悟して相受ける。各位が、我ために刑を撰んで、その最も酷なのは、
磔でない、獄門でない、牛裂の極刑でもない。この片袖を挟んだ古革鞄を自分にぶら下げ....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
を掻いて膚におぶった、そ、その心持というものは、紅蓮大紅蓮の土壇とも、八寒地獄の
磔柱とも、譬えように口も利けぬ。ただ吹雪に怪飛んで、亡者のごとく、ふらふらと内へ....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
覗きますと、何だか厭な匂のする、色々な雑物がございましたの。 (これはの、皆人を
磔に上げる時に結えた縄だ、)って扱いて見せるのでございます。私はもう、気味が悪い....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
僂麻質と聞いても悚然するよ。何より恐いんだ。なぜッてまた小六さんのように。」 「
磔!」 言いたる小親も色をかえぬ。太き溜息吻とつきて、 「鶴亀、々々。ああ、そ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
「止してくれ、人、身体に手なんぞ懸けるのは、汚れますよ。」 「何を癩が。」 「
磔め。」と角目立ってあられもない、手先の突合いが腕の掴合いとなって、頬の引掻競。....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
けて、広い部屋の中も同断です。中にも目に着いたのは、一面の壁の隅に、朦朧と灰色の
磔柱が露われて、アノ胸を突反らして、胴を橋に、両手を開いて釣下ったのは、よくある....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
時の当路者達は、イエスを以て、漫りに新信仰を鼓吹して旧信教を覆すものとなし、之を
磔刑に処したのである! イエスの徒弟の時代に至りても、一般民衆は、尚お未だイエ....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
(忠直の奥方にして、二代将軍|秀忠の愛女)の寝室近くであった。その為に罪最も重く
磔刑に処せられたのであった。 こういう因縁の下に滝之助は、高田の松平家を呪って....
「山吹」より 著者:泉鏡花
ぬお覚悟を見抜きまして、さらば、お叶え下されまし、とかねての念願を申出でまして、
磔柱の罪人が引廻しの状をさせて頂き、路傍ながら隠場所の、この山崩れの窪溜へ参りま....