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磨き
「磨き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
磨きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葱」より 著者:芥川竜之介
ともった下に、ちゃんと佇《たたず》んで待っている。色の白い顔がいつもより一層また
磨きがかかって、かすかに香水の※《におい》までさせている容子《ようす》では、今夜....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
けられているようでしたから、すぐに飛び起きて、そこまで出て行って見ましたが、ただ
磨きこんだ廊下《ろうか》の上に、ぼんやり窓の外の空が映っているだけで、何も人間ら....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ぎ》わった。丁度農場事務所裏の空地《あきち》に仮小屋が建てられて、爪《つめ》まで
磨き上げられた耕馬が三十頭近く集まった。その中で仁右衛門の出した馬は殊に人の眼を....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
義務を教えられた。然し彼等の最上の宝なる個性の権威は全く顧みられなかった。美しく
磨き上げられた個性は、恩を知ることが出来ないとでもいうのか。余りなる無理解。不必....
「蠅男」より 著者:海野十三
が尽きないようであったし、彼の長男らしい眼のギョロリとした男は、一挺の猟銃をまだ
磨きあげていなかった。 帆村は子供の頃の心に帰って、それからそれへとカラクリを....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
なもんだよ。こっちが売りに持っていった品物は二束三文に値ぎりたおす。それをあとで
磨きにかけて、とほうもない高値で、外国人などに売りつけるんだ。足もとにつけこむの....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
兵曹長。『魔の空間』の壁がさけてゆく……」 なるほど、そのとおりだ。鯨の腹に、
磨きすました刀をさしこんで引きまわすように、濃緑褐色の「魔の空間」の壁が、煙のあ....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
やるから」 「へえ。――そこの台の上に載せてあります」 といってレッド老人は、
磨きあげたワイトマン愛用の丸|卓子の上を指した。そこには蜜柑函大の金網の籠が置い....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
の勤めは、更めて来霜月の初旬、さるその日本の舞台に立つ筈でござる。が、剣も玉も下
磨きこそ大事、やがては一拭いかけまするだけの事。先月の勤めに一方ならず苦労いたし....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
を入れる。押えて動かさず、 「ま、もうちっと辛抱をなさいましな、これから裏の方を
磨きましょうね。」 婦人はこういいつつ、ちらちらと目をつけて、指環の形、顔、服....
「白銅貨の効用」より 著者:海野十三
楽部員になって練習を積むのに比べて、簡易と経済に於て天地|霄壌の差がある。 爪
磨きとしての効用 爪を鋏で切りっぱなせば角があって方々へ引っかかる。この角をな....
「わが妻の記」より 著者:伊丹万作
除と整理。これはもう極端に偏執的である。たとえば自分の好きな所はピカピカ光るほど
磨き上げるが、興味のない所は何年もほこりが積み放しになつている。家の中のある部分....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
なり。今二三年は新潟にて英学をなしその上にて東京へ出でよ、学問は所にはよらじ、上
磨きだけを東京にてせよ」と止められ、志を屈して一年程は独学したれど、はしる馬の如....
「大切な雰囲気」より 著者:石井柏亭
好む尖端人との交錯が窺われる。そうして古いものの完き姿が現代に求められなくなり、
磨きのかかって居なければならぬ尖端ものに彼の所謂埃や垢が附いて居ることは、絶えず....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
いかに震災下とはいいながらむごたらしかったかがわかる。革手錠をはずされてから手錠
磨きを命ぜられた。自分の手にかける手錠を自分で磨くのだからこれ以上の皮肉はない。....