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示談
「示談〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
示談の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
で不安が本体だと思うのは偽哲学者である。家主《いえぬし》が這入るについて、愛嬌が
示談《じだん》の上、不安に借家を譲り渡したまでである。それにしても小野さんは悪る....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
の見た所では大した傷でもないようだし、告訴までして騒ぐ程の事もなかろうと、穏かに
示談にしたらいゝだろうと勧めたのです」 「それでどうしました」 「いや実に執拗い....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の牛行司|二人の間に立って、六十歳の金兵衛が調停者としてたつこともわかった。双方
示談の上、牛馬共に今までどおりの出入りをするように、それにはよく双方の不都合を問....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
か村と安曇郡百四十四か村を指定した。このうち遠村で正人馬を差し出しかね代永勤めの
示談に及ぶとしても、一か年高百石につき金五両の割合より余分には触れ当てまいとの約....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
えている者であったので、その主人が牛三頭と白金一|笏をつぐなうことにして、梁氏に
示談を申し込んだ。 「夫の代りにあの男の命を取ったところで、今更どうなるものでは....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
察ではゆるしてやりたいんだ」と警部は同情の目をまたたいていった。「だが阪井の方で
示談にしないと警察では困るんだ」 「監獄へいくんでしょうか」 「そうなるかもしれ....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
決っているから心配はないし、もし農民が多少でも担保を入れているとすれば、強制的な
示談で安く踏み倒して自分名義の財産に加えることも出来る。「農村匡救」ほどいいもの....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
たのを茂之助さんが嫉妬をやいて、むずかしい事を言ったから話も破れて仕舞って、まア
示談で離縁になったのですよ、それから斯うやって夫婦になって居ると、未練らしく此の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
》があり、蘭亭があり、枕流亭《ちんりゅうてい》があり、新御殿があり、土蔵があり、
示談講があり、総会所があり、女人講があり、茶所があり、白砂会所《しらすなかいしょ....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
んな風にしたものでしょうね? ね、よござんすか、それは告訴してくれないようにと、
示談のための賠償金ではありません(だって、その人は本当に告訴するつもりだった風で....
「西鶴と科学」より 著者:寺田寅彦
においては科学的といわれなくはないであろう。「小指は高くゝりの覚」で貸借の争議を
示談させるために借り方の男の両手の小指をくくり合せて封印し、貸し方の男には常住坐....
「山の神殺人」より 著者:坂口安吾
あって、警察沙汰になることが重なったのである。 その度に被害を蒙るのは平作で、
示談だと云って金をとられ、ヤミでは自分の作物を盗んで売られ、重ね重ねの損失の上に....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
から、往来を通りかかった巡査が悲鳴をききつけて土蔵へ踏みこみ、ヒサを助けだした。
示談でケリがついて新作は罪をまぬがれ、いっそ妻にと正式に申しでた。傷物になっては....
「裏切り」より 著者:坂口安吾
です。この先生が信じているのは人生にはネゴシエーションという軸があって、妥協とか
示談という完全な共同作業が成立する。要するに女の口説もネゴシエーションです。 ....
「枯尾花」より 著者:関根黙庵
る事件を頼まれ、神戸へ赴き三日|斗りで、帰る積りのところが十日もかかり、その上に
示談金が取れず、貯えの旅費は支いきり、帰りの汽車賃にも差支え、拠無く夕方から徒歩....