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礼拝堂
「礼拝堂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
礼拝堂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河明り」より 著者:岡本かの子
て、なおしばらく水辺に沿って行った処で若い紳士は車を停め、土地の名所である回教の
礼拝堂を見せた。がらんとして何もない石畳と絨氈の奥まった薄闇へ、高い窓から射し入....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
くる。そういう暗澹たる空模様の中で、黒死館の巨大な二層楼は――わけても中央にある
礼拝堂の尖塔や左右の塔櫓が、一|刷毛刷いた薄墨色の中に塗抹されていて、全体が樹脂....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
際で張り番をさせ、自分はルキーンを伴って、階下の室々を調べ歩いた。荒れるに任せた
礼拝堂は、廃墟のような風景であった。円天井の下には、十ばかり聖像があるのみで、金....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
う、この表情は聖画等の殉教者特有のものではないだろうかね。先年外遊中に、シスチナ
礼拝堂の絵葉書を寄越した君なんぞは、真先にミケランジェロの壁画『最終審判』で、何....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
お祈りするのたのしそうね。」 「ええ、あなたもお祈りなさるといいですよ。化粧室を
礼拝堂につくってあげましょう。おばさんがいねむりをなさっているあいだに、じっとす....
「眠る森のお姫さま」より 著者:楠山正雄
わりはありませんでした。 食事がすむと、時をうつさず、大僧正は、ふたりをお城の
礼拝堂へ案内して、ご婚礼をすませました。女官|頭は、ふたりのためにとばりをひきま....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
枝は手を延ばしたが、長目に燕子花の花を折った。と、小枝は唄い出した。 ※メッカの
礼拝堂に 信者らの祈る時、 帳の奥におわす 御像の脚に捧げまつらん 日の本の燕子....
「奇巌城」より 著者:菊池寛
包を小脇に抱えて、それが足の邪魔になるのを払い払い、足早に走っていく。曲者は古い
礼拝堂の方へ走って土塀の間にある小門の蔭に消えてしまった。その戸は開けてあったと....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
てて別物にして。 ファラデーの態度をチンダルが鋭く批評したのに、「ファラデーは
礼拝堂の戸は開けっぱなしで(open)寛大にして置くが、実験室の戸は出入がやかま....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
にはまたとんだいかものが紛れ込む。ポーランドの貴族と自称する片眼鏡の男は城の中の
礼拝堂から処女マリア像の眼を盗み取り、その上前スワンソン夫人を誘惑しかけて行って....
「城」より 著者:カフカフランツ
はいかなかった。彼が立ちどまっていたそばにある村の教会の裏手に、――それはじつは
礼拝堂にすぎなかったが、信者団を容れることができるように、納屋をつけたような恰好....
「審判」より 著者:カフカフランツ
ことだろう。そうやってどのくらいのことができるものかためそうとして、Kは近くの側
礼拝堂へ行き、低い大理石の手すりまで、二、三段の階段を登り、それから身体を乗り出....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
を変ずるにあらざるなり。 米国ソルトレーク都府には、モルモン宗の本寺あり。その
礼拝堂は、一万五千人をいるるべしという。当時、本堂建築中なり。その費用、米貨千万....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
見るに至るまでの苦心は思い知るべし。氏の案内により公園を一過し、議事堂、博物館、
礼拝堂等を外部より一覧して、レストランに入り午餐を喫し、閑談数十分にて手を分かつ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
り、
頭の上を押さえている屋根や搏風の下を遁れたり、
肩の摩れ合うような狭い巷や
礼拝堂の尊い闇から出たりして、
外の明を浴びているのだから、無理は無い。
あれを....