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礼物
「礼物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
礼物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
助けくれた人を同類と見做し、猫や梟同前手柄自慢で種々の物を捉えて見せに来る、特に
礼物進上という訳でないが、人の立場から見るとちょうど助けやった返礼に物を持ち来て....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「成程」 角右衛門は厚く礼を述べて帰った。それから三日ほど経って、かれは相当の
礼物をたずさえて槇原の屋敷へたずね来て、若殿大三郎殿は無事に戻られたと報告した。....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
、それを見た人々はみな感嘆の声をあげたそうです。 黒太夫も大層よろこんで手厚い
礼物を贈ると、祐慶は辞退して何にも受取らない。彼は自分の長く伸びた髭をすこし切っ....
「爛」より 著者:徳田秋声
式は、至極質素であった。 杯のすんだ後のお今は、黒紋附を着た室と並んで、結納や
礼物などの飾られた床の前の方に坐っていた。松に鶴をかいた対の幅がそこにかけられて....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
濁った目を見すえて、
「このお三は、どうなるんですよう?」
「いや、わしは、
礼物《れいもつ》を、あてにしているわけではない――ゆきがかりゆえ、面倒見てやろう....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
に変じ、傷ついた蜃は呂湖に帰る途上で死んだとまであって跡がないが約束通りぐっすり
礼物を占《せし》めただろう、『続捜神記』から『法苑珠林』に引いた話にいわく、呉の....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
いません」 「おまえらがここへ帰り住むようになったらば、おれに出口を教えてくれ、
礼物などは貰うに及ばない。ただこの娘たちを救って出られればいいのだ」 「それはた....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を紙に包んで注ぐこともある。
小笠原家から出た水島家の伝書の中にも「水祝い」の
礼物を記したのがある。
「手桶一対――白絵に鶴亀、松竹を書く、本式は手桶十二―....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
判断をして、それで暮しを立てていたのですか」 「いいえ、左様ではございません、お
礼物《れいもつ》などは決してお受けになりませんでした、ただ人の気を休めるために筮....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
然《しか》るべきところから借り出して来た、それを芝居も無事に打上げたから、多少の
礼物をそえて、こうして若衆手揃いで返しに行く途中なのでありました。その途中、はか....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
、私どもの内へ来るのは一刀であった。万歳にもそういう地位の等差があった。二刀のは
礼物を多くせねばならぬ故、私の内などの身分では一刀のを呼ぶのであった。君侯でなく....
「屋根裏の犯人」より 著者:坂口安吾
はしません。妙庵先生は自分から薬代を要求しない人ですから患者の方から見つくろって
礼物をさしあげる。そこで伊勢屋では一年に一度の風呂をさしあげます。物の効用は無限....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
源右衛門『言葉が悪くばあやまります。何はともあれ、お預け申した開祖様御影像を、
礼物持って受取りに来ました。さっと此処を通して下せえ』 法師三『ならんならん』 ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
れを成就させて、わが主人にも自分の奉公振りを見せ、あわせて相手の山名からも相当の
礼物を貰おうという下心で、この頃は足しげく山名の屋敷へ出入りして、自分が万事呑み....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
腰の上まである。
どうやら渡り終った所でその二人は荷物を卸した。私はその人々に
礼物としてチベット流のカタというものを遣った。これは白い薄絹です。人に進物をする....