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社会小説
「社会小説〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
社会小説の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「昭和の十四年間」より 著者:宮本百合子
形となった。人間が社会的な存在である事実はさすがに蔽うべくもなくて、この時期に「
社会小説」という課題が一方にあった。従来の私小説に対して、より広く複雑な社会の姿....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
とそこにある新しさの土台をなしている旧さを捉えず、当時擡頭しかけていた観念小説、
社会小説の波に向って、我が文学陣の選手とばかり推したてたのだろう。 それならば....
「一九四七・八年の文壇」より 著者:宮本百合子
中の第一の分類に属する丹羽文雄氏が「私は小説家である」といういせいのいい論文で、
社会小説を主張して私小説から脱却しようとする今日の潮流に合していますが、一社会人....
「平和運動と文学者」より 著者:宮本百合子
ソヴェト社会に対する支持もそのテーマの一つです。それらの一つとして古い私小説から
社会小説への解放があります。ブルジョア文学の私小説では自我というものを問題にして....
「五〇年代の文学とそこにある問題」より 著者:宮本百合子
る林房雄の評を見てもわかるように、政治臭をきらうことで共通している。中間小説が、
社会小説であり得ないこの派の作家たちの本質に立って。 しかしながら、そのまた他....
「婦人作家」より 著者:宮本百合子
が経済政治面からしめ出されつづけてきた日本の社会的環境では、フランスでのように、
社会小説として、その露骨さへ発展させてゆくことができなかった。藤村の「破戒」から....
「戦争はわたしたちからすべてを奪う」より 著者:宮本百合子
体系的に見直してゆこうとする一つの傾向があらわれている。現代文学は、肉体文学も、
社会小説も、実名小説も、きょうのわれわれの生活のこころにふれるものでないから、と....
「今日の日本の文化問題」より 著者:宮本百合子
の一方に、重く息苦しい家族制度によって個人生活をしばられて、日本の「私小説」は、
社会小説に発展する戸口をふさがれていた。民主的な文学者が、僅かに日本文学における....
「思想と文学」より 著者:坂口安吾
ではあり得ない。時代がある。社会がある。それらとのツナガリを離れては成りたゝぬ。
社会小説とか農民文学とかいうけれども、特別そんなレッテルがあるのはバカバカしいこ....
「反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
り扱っている事である。一つの豪族と、他の豪族とが対立して起って来る争いを廻って、
社会小説でもなく、家庭小説でもなく、少し種類の異った小説になっている。島崎藤村な....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
を主題としているのにたいして、ぼくは平家族の初期から――つまり平安朝末期を加えた
社会小説風に――従来の小説にはない保元の乱、そして平治の乱を追いつつ書き出した。....