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社会悪
「社会悪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
社会悪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道徳の観念」より 著者:戸坂潤
無知な新聞の社会面などに於ても、価値評価の原則になっている。あそこで「悪」とか「
社会悪」とか呼んで判ったように説いているものの空疎さは、何人も気付いている処と思....
「読書法」より 著者:戸坂潤
こで清水氏は、悪を(之は必ずしも神学的なあの悪のことではなくて社会面の記事で云う
社会悪に近い)反逆の一つの形式と見る。個人の傲慢不遜も新しい反逆のモラルと考えら....
「作家のみた科学者の文学的活動」より 著者:宮本百合子
明家に比べて資本主義的害悪から超然としていられることを語っておられる。けれども、
社会悪は金銭的形態利害擁護の姿でだけ素朴にあらわれるものではないのである。忌憚な....
「今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
ているのは前年来のことであるが、その脱出の方法が一癖も二癖もあり、云って見れば、
社会悪を背負って尻を捲って居直った姿で小説などに現れて来たのである。 一方でヒ....
「誰のために」より 著者:宮本百合子
するブルジョア民主主義の要求と、すでに帝国主義の段階にまで進んでいる資本主義的な
社会悪を是正しようとする社会主義的な民主主義的方法の必要が、からまり合って、二重....
「新しい文学の誕生」より 著者:宮本百合子
やむを得ないことは、その程度のちがいだけであるところまで辷りこむと、本質をかえて
社会悪となり、また犯罪的性格をもつようになってしまう。公然のうそが、わたしたちの....
「花のたより」より 著者:宮本百合子
達は、果してどの位深刻に、真に断種すべきものは男性の或る分泌腺ではなくて、一切の
社会悪と疾病との根源である社会そのものの歪んだ非人間的構成であることを観察してい....
「戦争はわたしたちからすべてを奪う」より 著者:宮本百合子
現実にきょうを生きている経済事情、その劣悪さから湧き立って世間に溢れている犯罪と
社会悪。婦人の問題、そしていまの日本のおそろしい青少年の問題。すべてが、現在の社....
「それらの国々でも」より 著者:宮本百合子
せた悲しさのやりばのない女性の思い。けんかは両成敗なはずだのに、と軍国主義という
社会悪をひとてに負わされて不満な人々のこころもち。当時のドイツにみちていた男女の....
「今日の日本の文化問題」より 著者:宮本百合子
の職業的再教育は放棄している。復員軍人、引揚者の職業再教育が全くみすてられていて
社会悪の発源地となっているとおり、戦争による不具者の人間的再起がみすてられている....
「新しい抵抗について」より 著者:宮本百合子
ではりあいのある人生を生きたいと思っているのです。ところが、この資本主義の社会の
社会悪と矛盾、苦悩惨酷があまりひどいから、わたしたちの心には社会的な自覚とともに....
「あとがき(『宮本百合子選集』第六巻)」より 著者:宮本百合子
てあらわれていた作品は、どれもそれぞれの作者の生活より自然発生的にその貧につき、
社会悪と資本家への憎悪などが描かれたもので、つきつめてみればそれがこれまでのよう....
「あとがき(『宮本百合子選集』第十五巻)」より 著者:宮本百合子
に反映している。しかも、苦しいことは、若い少女の感情を不安定にし、荒びさせている
社会悪の諸条件は、家庭の妻に、働く婦人のすべてに、未亡人をふくむすべての母の生活....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
かかわらず、依然として包蔵している人道主義的思想のためであったのだ。正義をもって
社会悪を克服するという倫理的な根拠なくして、単なる物的必然力によって、人間は犠牲....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
の健康体がむしばまれて行く可能性、いかなる条件があって、かかる病人となるか、その
社会悪というものが考えられ、病人の対策や病気の治療が問題ではなくて、諸条件とか社....