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社用
「社用〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
社用の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖術」より 著者:泉鏡花
は名を一帆といって、その辺のある保険会社のちょっといい顔で勤めているのが、表向は
社用につき一軒廻って帰る分。その実は昨夜の酒を持越しのため、四時びけの処を待兼ね....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
ね」と云ったあと、いくらか麻川氏に気の毒な感じもした。 某日。――朝早く主人は
社用で大阪に発って行った。麻川氏の部屋の前を通ると、氏は例の非常に叮嚀なお辞儀を....
「死のなかの風景」より 著者:原民喜
歩みのなかに見えかくれしているようだった。と不意に彼の眼の前に友人が現れていた。
社用で九州へ旅行することになった友は、新しい編上靴をはいていて、生活の意欲にもえ....
「築地河岸」より 著者:宮本百合子
人針がされていた。両国の川開きのなぐれで、銀座が押すように雑踏していた晩、道子が
社用でその間を擦りぬけながら通っていると、新橋の方からバンザーイ、バンザーイとい....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
園の求に応じて、新聞社に紹介し、二、三篇の文章を社に交付して置いて、十二日にまた
社用を帯びて遠江国浜松に往った。然るに用事は一カ所において果すことが出来なかった....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
の寒さを思い出したように肩をすくめた。古河君は七年ほど前の二月に、よんどころない
社用で越後の方まで出張したが、その用向きが思いのほかに早く片付いたので、大きい声....
「アンゴウ」より 著者:坂口安吾
矢島は
社用で神田へでるたび、いつもするように、古本屋をのぞいて歩いた。すると、太田亮氏....
「集団見合」より 著者:坂口安吾
きたサロンのチンピラ記者、高木青年が、ちょッと顔をあからめなどして、ボク、アスは
社用によって見合いでして、朝十時、早いです、これからウチへかえってズボンをネドコ....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
範社長はウイスキーをグッとあけて才蔵にさし、 「実はな。オレもマニ教の信者でな。
社用で箱根へくる。
社用の方はサルトルや熊蔵がやってくれるから、オレはヒマを見てマ....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
実は胸のポケットに在るのである。 青木は解せないらしく、思い沈んでいたが、 「
社用で大阪へ行ってるはずだ。五日前にたったんだが、まだ二三日は戻らぬ予定ときいて....
「怪獣」より 著者:岡本綺堂
旅館。登場人物は藤木理学博士、四十七、八歳。私、新聞記者、三十二歳。 わたしは
社用で九州へ出張する途中、この広島の支局に打合せをする事があって下車したのである....
「深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
門司支店に勤めていて、八月下旬の暑い日の午前に、神戸行きの上り列車に乗っていた。
社用でゆうべは広島に一泊して、きょうは早朝に広島駅を出発したのである。ことわって....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
と向ってついぞ言を交わしたということもないのですが、先生、貴下も御同然に、こりゃ
社用外のさがしもので、しばらく行方が知れないのを、酷く心配をいたしておりましたで....
「河豚は毒魚か」より 著者:北大路魯山人
群魚の美味など、ものの数でなからしめた。ためにふぐ料理専門の料理店は頓に増加し、
社用族によって占領されている形である。関西ならば、サラリーマンも常連も軒先で楽し....
「獅子舞雑考」より 著者:中山太郎
これも竜体の一種であることは、容易に看取される。図師嘉彦氏が描いた、秩父の三峯神
社用の獅子頭のスケッチなどを見ても、角に枝のあるところが、竜に近いもののように思....