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祖先
「祖先〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
祖先の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十本の針」より 著者:芥川竜之介
二 わたしたち
わたしたちは必ずしもわたしたちではない。わたしたちの
祖先はことごとくわたしたちのうちに息づいている。わたしたちのうちにいるわたしたち....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
教の渡来とともに、はるばる南蛮から輸入された西洋築城術の産物であるが、自分たちの
祖先の驚くべき同化力は、ほとんど何人《なんぴと》もこれに対してエキゾティックな興....
「Mensura Zoili」より 著者:芥川竜之介
術的な価値をです。無論まだその他の価値も、測定出来ますがね。ゾイリアでは、それを
祖先の名誉のために MENSURA ZOILI と名をつけたそうです。」
「あな....
「貉」より 著者:芥川竜之介
云えば、湖上の聖母は、山沢《さんたく》の貉と何の異る所もない。
我々は、我々の
祖先が、貉の人を化かす事を信じた如く、我々の内部に生きるものを信じようではないか....
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
つ》が所々に腕だるそうにそびえて、その間をさまよう放牧の馬の群れはそぞろに我々の
祖先の水草を追うて漂浪した昔をおもい出させる。原をめぐった山々はいずれもわびしい....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
々の帽子でも好い。我々は羽根のついた帽子をかぶらず、ソフトや中折をかぶるように、
祖先の猿だったことを信じ、幽霊の実在しないことを信じ、地球の円いことを信じている....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
々《ゆうしんぼつぼつ》たる天下の自由児を動かしたであろう。彼らは皆その住み慣れた
祖先|墳墓《ふんぼ》の地を捨てて、勇ましくも津軽の海の速潮を乗りきった。 予も....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
いる。元禄時代に対する回顧《かいこ》がそれである。見よ、彼らの亡国的感情が、その
祖先が一度|遭遇《そうぐう》した時代閉塞の状態に対する同感と思慕とによって、いか....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
都会とは言うまい。だんだんとさびれて行くこの岩内の小さな町にも、二三百万円の富を
祖先から受け嗣いで、小樽には立派な別宅を構えてそこに妾を住まわせ、自分は東京のあ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
私の現在は私の魂にまつわりついた過去の凡てではないか。そこには私の親もいる。私の
祖先もいる。その人達の仕事の全量がある。その人々や仕事を取り囲んでいた大きな世界....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ら文化の進んだ時代まで保存されてきた。その間に次第に人間の教養は高くなってきても
祖先伝来のこれらの考え方に対する畏敬の念は、これらの神話を改作したり、また進歩し....
「転機」より 著者:伊藤野枝
ずん遂行された。しかし、少数の強硬な反対者だけはどうしても肯んじなかった。彼等は
祖先からの由緒をたてに、官憲の高圧的な手段に対しての反抗、または買収の手段の陋劣....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
私一身に取って、大切な書類、器具、物品、軽少にもしろ、あらゆる財産、一切の身代、
祖先、父母の位牌。実際、生命と斉しいものを残らず納れてあるのです。 が、開けな....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
のでは、まことに礼を失するに当る。が、ふとこの城下を離れた、片原というのは、渠の
祖先の墳墓の地である。 海も山も、斉しく遠い。小県凡杯は――北国の産で、父も母....
「瘤」より 著者:犬田卯
に学閥なき者の出世の困難さにつくづく業を煮やしていた矢さきという条件も手伝って、
祖先の地とその業務にかえる決意をしたので…… 半年間は家産の再検討に過ごした。....