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「祝砲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

祝砲の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
りがいらいらするほど待ちに待たれた。品川台場《しながわだいば》沖あたりで打ち出す祝砲がかすかに腹にこたえるように響いて、子供らは往来でそのころしきりにはやった南....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
がすばかりにして、遠く海上へも響き渡れとばかり、沖合いの外国軍艦からは二十一発の祝砲を放った。 慶応三年十二月七日のことで、陸上にはまだ兵庫開港の準備も充分に....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
入れた弾帯で、短銃其ものは明治三十八年の十二月日露戦役果て、満洲軍総司令部凱旋の祝砲を聞きつゝ、今後は断じて護身の武器を帯びずと心に誓って、庭石にあてゝ鉄槌でさ....
惜別」より 著者:太宰治
境内において大|篝火を焚き、五日は仙台市の祝勝日で、この朝、十時、愛宕山に於いて祝砲一発打揚げたのを合図に、全市の工場の汽笛は唸り、市内各駐在所の警鐘および社寺....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ころでしょう。 かく、牧場の牛と馬とに愛せられたのみならず、数頭の番犬までが、祝砲でも放つかの如く、高く吠《ほ》えて走って来ました。そうして茂太郎が去ってから....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ったが、江戸へは六百艘八万人と伝わり、京都へは三十万人と伝えられたそうな。彼等の祝砲に驚いて仏壇を背負い出し、彼等が敬礼のために一斉に剣を抜けば、素っ刃抜きと思....
若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
、ライオン少佐(犬の名)は夜中歩哨の任につく。ワシントンよりの吉報に、二十四発の祝砲をはなち、司令部に大観兵式をおこのう。司令長官の熱誠あふるる祝福をお伝えし、....
旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
、お景物にくれました。 晩になると、町じゅうあかりがつきました。兵隊はどんどん祝砲を放しますし、男の子たちはかんしゃく玉をぱんぱんいわせました。お城では、のん....
人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
うとはしませんでした。色ランプは、とうに消され、花火ももう上がらなくなりました。祝砲もとどろかなくなりました。ただ、海の底で、ぶつぶつごそごそ、ささやくような音....
昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
を屠《ほふ》って、フーラー博士の元気はものすごい。 『オリオン』は、金剛石砲台の祝砲をうけながら、しずしずと紅玉湾へ入った。 波止場《はとば》には、新司令官フ....
火夫」より 著者:カフカフランツ
ちぢんでしまっていたが、それでもときどきゆれ動いていた。おそらく軍艦からだろうが祝砲が聞こえてきた。あまり遠くないところを通り過ぎていくこうした軍艦の一隻の砲身....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
四十分、甲板上にて戴冠式の祝典を開催せられ、唱歌および祈請あり。午後一時四十分、祝砲を発火し、船長より無線電信をもって英王へ向け祝電を発送す。晩食後煙火あり、引....
友情に関係あるエッセイ」より 著者:戸坂潤
。併しそれが何故最近になって急に揃いも揃って発動することになったのか。この文化的祝砲の一斉射撃はどういう号令によって行われたのだろうか。――こう云って来ると、私....