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「祝酒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

祝酒の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仇討三態」より 著者:菊池寛
江戸牛込二十騎町の旗本鳥居孫太夫の家では、お正月の吉例として、奉公人一統にも、祝酒が下された。 ことに、旧臘十二月に、主人の孫太夫は、新たにお小姓組頭に取り....
丹下左膳」より 著者:林不忘
若侍の快談、爆笑……。 さては、真っ赤に染めあがった丹波の笑顔。 だが、その祝酒の真ん中にあって、お蓮様だけは、打ち沈んだ表情《かお》を隠しえなかったのは、....
三郎爺」より 著者:宮本百合子
て、他の百姓、大工とはどこか違った生活が――たとえば、物争いに鳧《けり》がついた祝酒や、振舞や、近所の村のそういう仲間との交際――目に見えなく彼の地味さを失わせ....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
た十万巻の書冊が一片業火に亡びて焦土となったを知らず顔に、渠等はバッカスの祭りの祝酒に酔うが如くに笑い興じていた。 重役の二三人は新聞記者に包囲されていた。自....
二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
サと、おどろきの眼と眼とを見合せた。 トマト姫 大総督スターベア公爵は、祝酒の酔いが、さめかかったのを感じた。 「おい、司令官ハヤブサ。本当に、のこるく....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
った。書生たちまでが一緒に並んでその稽古をやる。父はハイカラな礼服だが、朝からの祝酒《いわいざけ》に、私が大きらいな赤黒い色になっている。手はずしてあった個処《....
星女郎」より 著者:泉鏡花
ろがな、ついこの頃、石動在の若者、村相撲の関を取る力自慢の強がりが、田植が済んだ祝酒の上機嫌、雨霽りで元気は可、女|小児の手前もあって、これ見よがしに腕を扼って....
式部小路」より 著者:泉鏡花
、何です、まあ、口あけのお客と、あとを二人ばかり仕事をしたッていいますが、すぐに祝酒だ、とぬかしゃあがって。店をあけたまま、見通しの六畳一間で、裏長屋の総井戸を....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
、何う致しまして左様でございません」 小「いや左様でない、禁酒致しおる重三郎に、祝酒とは云いながら屠蘇を勧めたは私が悪かった、又酔っておる者に大切な物を持して帰....
三国志」より 著者:吉川英治
ちに虜囚としておき、また諸大将を一閣に寄せて、その戦功を彰した。 宴となって、祝酒を分つと、その席上で※芝が質問した。 「丞相には、どうして最初に、崔諒の詐り....
私本太平記」より 著者:吉川英治
命もくだされようが、こうなったのは、一にそちの忠勤にあるとのおぼしめしから今日は祝酒を賜わる。ありがたく存ずるがいい」 祝酒はべつな部屋でくつろいでいただいた....
私本太平記」より 著者:吉川英治
将軍の印綬を賜わってそれに向うのだ。義貞はすでに尊氏を呑んでいた。やがて下された祝酒の一ト口にさえ、それは色になって彼のおもてをほの紅くした。 朝廷では、万一....
春水と三馬」より 著者:桑木厳翼
れたり、大酒家の儒者を漸く説得したと思ったら、隠し置いた酒を嗅ぎつけられて決心の祝酒を強請せられる、などの結末で、此智恵者を翻弄して居る。 今その一例として「....