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神人
「神人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
神人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
しも苦にならない。筆はおのずから勢いを生じて、一気に紙の上をすべりはじめる。彼は
神人と相搏《あいう》つような態度で、ほとんど必死に書きつづけた。
頭の中の流れ....
「二つの道」より 著者:有島武郎
最も聡明《そうめい》な誠実な態度をとったからである。雲のごとき智者と賢者と聖者と
神人とを産み出した歴史のまっただ中に、従容《しょうよう》として動くことなきハムレ....
「富士」より 著者:岡本かの子
前兆とし、白い笠雲の場合は風ばかりの前兆としたようなこまかさとなった。 幾人の
神人や人間が、この女神に恋をしたことであるだろう。女神は一々、まじめに、その恋を....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ところには、私達は警戒の眼を見張らねばならぬ。かくて神学者は専制政治の型に則って
神人の関係を案出した。かくて政治家は
神人の例に則って君臣の関係を案出した。社会道....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
った。 舟中の人もおどろき怪しんで見まわすと、舟を距る五、六町の水上に、一個の
神人の姿があざやかに浮かび出た。立派な髯を生やして、黒い紗巾をかぶって、一種異様....
「最古日本の女性生活の根柢」より 著者:折口信夫
一 万葉びと――琉球人 古代の歴史は、事実の記憶から編み出されたものではない。
神人に神|憑りした神の、物語った叙事詩から生れてきたのである。いわば夢語りとも言....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
あ、縁起のよくない噂話が色々とつきまとっていましたようで、何でも、その家は宇佐の
神人の亡び残りだったそうでございます。その嬢子の親御で何とか云う老人がまだ生きて....
「憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
さればこれを人事について言ってみれば、自山を擁護して破邪折伏の任務に当る祇園の犬
神人の如きは、身分は低いがやはり一種の護法と云ってしかるべきものである。そして彼....
「サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
しばその名が古書に見えているものであった。師守記貞治三年六月十四日条に、祇園の犬
神人たる弦差と田楽法師との喧嘩の事を記して、 田楽与犬
神人有外也。 とある。こ....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
高貴の庭※を窺ふ能はず」とあるのは、明らかに事実ではない。祇園祭の警固に立った犬
神人は靴作で、もとエタと同類であった。その他の祭礼の警固にも、この徒の出る事は珍....
「特殊部落と寺院」より 著者:喜田貞吉
、上人が京の建仁寺辺の沓作り、弦作りの非人を教化されたことがある。これは祇園の犬
神人で、後にはエタとは分派しているけれども、もと沓作りを職としたのを見れば、初め....
「エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
古事類苑」引)に、武州幸手の月輪院僧正が、エタの由来を説明した中に、 、叡山の犬
神人、皆是寺方の掃除の為なり。 とあるのは、起原の説明としては勿論取るに足らぬ....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
上にもしばしば言及した事であった。その坂の者について、古来最も有名なのは祇園の犬
神人で、彼らはもと沓作りを業としたというが、後にはもっぱら弓弦売として世に知られ....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
であるが、その社寺に属するものとしては、京都東寺の掃除散所法師、同祇園感神院の犬
神人すなわち弦召などが有名である。 東寺では、散所法師という名称のままで、寺の....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
次第に深みに沈み行いて、鉦打茶筅の徒はもとより、夙とか、鉢屋とか、唱門師とか、犬
神人とか、エタとか、番非人とか、その他各種の特殊民の源をなしたものと解せられるの....