神代杉[語句情報] » 神代杉

「神代杉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

神代杉の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老年」より 著者:芥川竜之介
では一番、広い間らしい。籠行燈《かごあんどん》の中にともした電燈が所々に丸い影を神代杉《じんだいすぎ》の天井にうつしている。うす暗い床の間には、寒梅と水仙とが古....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
近づくと組織中にあらわれてくる。たとえば、松は枯れればそのまま腐敗するが、杉は、神代杉という埋れ木になることが出来る。いわば、これは化石になる成分で、それが現わ....
趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
三 六畳の座敷は南向《みなみむき》で、拭き込んだ椽側《えんがわ》の端《はじ》に神代杉《じんだいすぎ》の手拭懸《てぬぐいかけ》が置いてある。軒下《のきした》から....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
ぼろげに感ぜられるような気がしたのである。 そのマグダレナのマリアをもらって、神代杉の安額縁に収めて、下宿の※間に掲げてあったら、美人の写真なんかかけてけしか....
書斎」より 著者:辻潤
ものです。しかし床の間には竹田《ちくでん》の描いた墨絵の観音と、その反対の壁には神代杉の額縁に填められたスピノザの肖像がかかっていました。その軸も肖像も両《ふた....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
ただ一つあるばかりだ。神楽殿の傍には、周囲六丈四尺、根廻りは二丈八尺、と測られた神代杉がそそり立って、割合に背丈は高くないけれど、一つ一つの年輪に、山の歴史の秘....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
本の表装仕立てなどしてはとうてい嫌味で滑稽だ、お座敷洋食となり、茶人の帽子となり神代杉となって怪しからず嫌味で下品なことになってしまう。 額縁の様式も昔から勝....
白い花赤い茎」より 著者:田中貢太郎
鬼婆は直ぐ後へ迫って来た。二人は進退がきわまったところで、其の傍に一本の高い高い神代杉のような巨木が生えていた。二人は他に逃れる途がないので、其の木の上に登って....
古木」より 著者:豊島与志雄
働きながら、一方、梟の剥製を探し廻りました。やがて、幸にもそれが見つかりました。神代杉の細工枝にしっかりと取りつけたもので、羽毛が放射状に生えてる顔盤の中の真丸....
祭りの夜」より 著者:豊島与志雄
なので、はっきり眼がさめた。電気雪洞の二ワットの淡い灯が、ぼんやりともっている。神代杉の天井、欄間や床の間、掛軸に活花……。枕頭に水差と煙草盆があったので、水を....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
ここに一つ惜しいものがある。他でもねえこの箱だ」 布団の下から取り出したのは、神代杉の手箱であった。 「これをお前に遣ることにする。大事にしまっておくがいい。....
歴史と事実」より 著者:坂口安吾
を読んで驚いた。屋久島は千七百米の巨大な山塊で、全島すべて千年から千五百年を経た神代杉の密林だそうである。 成程白石の記事によってもシドチが最初に出会った日本人....
フシギな女」より 著者:坂口安吾
ないのですね。なるほど、この島の雨量は日本一です。その物すごい雨量のおかげで全山神代杉の巨木が密林をなしているそうだ。しかしスリバチを伏せたような島にダムを造る....
丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
庄屋その他の案内で見歩いた。 今は水田となっている元の丹那沼の中からは、時々|神代杉を掘出すという事から始まって、土中から掘出し物をする話しが土地の者の口から....