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神保町
「神保町〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
神保町の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
明していた。彼は又はっきりと覚えている。――古本屋ばかりごみごみ並んだ二十年前の
神保町通りを、その古本屋の屋根の上に日の光を受けた九段坂の斜面を。勿論当時の神保....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
すぐ眼の前の硝子《ガラス》窓に、ぼんやり海の景色が映るのだそうだ。電車はその時|
神保町《じんぼうちょう》の通りを走っていたのだから、無論《むろん》海の景色なぞが....
「葱」より 著者:芥川竜之介
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神田《かんだ》
神保町辺《じんぼうちょうへん》のあるカッフェに、お君《きみ》さんと云う女給仕がい....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
らに長屋の周囲を一巡した。 その当時の内神田はこんにちの姿とまったく相違して、
神保町《じんぼうちょう》、猿楽町《さるがくちょう》、小川町のあたりはすべて大小の....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
も兄達の住んでいる方へ近づこうと、風下である危険を侵し、避難の市民群とは反対に、
神保町から、九段を目がけて、駈け出していった。 だが、
神保町を、駈けぬけきらぬ....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
。箱田は朝鮮で検事か判事かをやっている。 僕はまた、壱岐坂上の貸本屋のほかに、
神保町あたりのある貸本屋のお得意にもなっていた。そこには、小説本のほかに、いろん....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
二、三日前に今度会社で新に刷って倉庫に入れたまま、未だ売出さない所の新旧約全書が
神保町辺の本屋で盛に販売されるので愈※確実になったと云うのだった。石子刑事は大し....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、そうですか。」 「その御縁で、ついこの間、糸七さんと、もう一人おつれになって、
神保町辺へ用達においでなさいましたお帰りがけ、ご散歩かたがた、「どうだい、新店は....
「呉秀三先生」より 著者:斎藤茂吉
級生〈今の二年生〉ぐらいであっただろうか。学校の課程が済むと、小川町どおりから、
神保町どおりを経て、九段近くまでの古本屋をのぞくのが楽しみで、日の暮れがたに浅草....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
りお品殿と、ままごとをしてお遊びなされ、拙者お相伴いたしましょう」 ここは神田
神保町の、十二神貝十郎の邸であった。同じ夜の明け近い一時である。献上箱の蓋があい....
「染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
前を女が行く。尾行るという気もなかったが、矢っ張り後をつけて行った。出たところが
神保町、店附の立派な古物商があった。 女が這入って行くではないか。 「おや」と....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
った。 「いやいや何の、心配は御無用」 「それでは、ただ今のお住居は?」 「神田
神保町の若菜屋でござる」 云いすてると宇和島鉄之進は、事情を審しく思ったのであ....
「真珠塔の秘密」より 著者:甲賀三郎
は勿論、何の証拠になるようなものもない」路々友は語った。「守衛は大丈夫らしいね」
神保町の停留場で我々は降りた。その辺の迷路にも似た小路を、あちこちと二三丁歩いて....
「妖怪談」より 著者:井上円了
今私は、余が実験いたしました狐つきについてお話しいたします。この話は、東京の神田
神保町の洋服屋の主人に、狐つきがございましたのです。この実見談ですが、ただ今この....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
喰うような家がないといって容易に承知しない。それから馬場を通り抜け、九段を下りて
神保町をブラブラし、時刻は最う八時を過ぎて腹の虫がグウグウ鳴って来たが、なかなか....