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神品
「神品〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
神品の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
りましたか?」
主人は微笑を含みながら、斜《ななめ》に翁の顔を眺めました。
「
神品《しんぴん》です。元宰先生《げんさいせんせい》の絶賞は、たとい及ばないことが....
「骨董」より 著者:幸田露伴
らけだし当時宮庭へでも納めたものであったろう、精中の精、美中の美で、実に驚くべき
神品であった。はじめ明の成化弘治の頃、朱陽の孫氏が曲水山房に蔵していた。曲水山房....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
え、ふとした手づるから真物を古島様のお屋敷で拝見したことがございましてな、やはり
神品となると、後光がさすとでも申しますか、そのおり拝ましていただいた一対の雛、形....
「俗天使」より 著者:太宰治
る。ダヴィンチは、ばかな一こくの辛酸を嘗めて、ジョコンダを完成させたが、むざん、
神品ではなかった。神と争った罰である。魔品が、できちゃった。ミケランジェロは、卑....
「鉄面皮」より 著者:太宰治
歴史に残しているほどの人物は、私たちには容易に推量できないくらいに、けたはずれの
神品に違いない。羽左衛門の義経を見てやさしい色白の義経を胸に画いてみたり、阪東妻....
「備忘録」より 著者:寺田寅彦
られる。 ほんとうにすぐれた理論物理学者の論文の中には、真に東洋画特に南画中の
神品を連想させるものがある。一見いかに粗略でしかも天然を勝手にゆがめて描いてある....
「映画芸術」より 著者:寺田寅彦
れを、詩人が一本の万年筆と一束の紙片から傑作を作りあげ、画家が絵の具とカンバスで
神品を生み出すのと比べるとかなりな相違があるのを見のがすことはできない。映画芸術....
「文士としての兆民先生」より 著者:幸徳秋水
四年土佐高知に生れ、明治三十五年、五十五歳を以て東京に歿した。 先生の文は殆ど
神品であった。鬼工であった、予は先生の遺稿に対する毎に、未だ曽て一唱三嘆、造花の....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
い芸事は殆んどないといってよい。 しかしながら、偉い画家の描いたものや、古来|
神品とも称されている作品のあるものには、全く技法も糞も全く無視されたような作品が....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
つが、われわれ社会の裏面に蠅のように寄生して、始末にいかないことがある。なあに、
神品は模造すべからざるものだから、見る人が見れば、問題にはならないが、世間はめく....
「未来のために」より 著者:坂口安吾
を文学の神様と称したり、宇野浩二を文学の鬼と称したり、また、秋声を枯淡の風格とか
神品と称し、そこに見られる文学精神とか精進とか、要するに過去の複写の図式を如何に....
「一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
弾力のあるふっくらとした頬、顔もからだも、ほどよく締っていて、弾みだしそうです。
神品ですよ。触れようとしても出来ぬものはことごとく
神品です。 私は……だが、い....
「稽古場にて」より 著者:岸田国士
た。言葉はわからぬながら、カチャロフの男爵をはじめ、名優たちの名演技は、まことに
神品の名にそむかぬものであった。事の序に、フランスで作った映画の「どん底」も古い....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
済観音像や、夢殿の救世観世音菩薩像、中宮寺の如意輪観音と称する半跏像の如き一聯の
神品は、悉く皆日本美の淵源としての性質を備えている。殊に夢殿の秘仏救世観世音像に....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
の画に描き上げた。風景や静物にもすばらしいのはあるが、その女の肖像画にいたっては
神品だというよりほかに言葉がない。 瀬古 おいおいそれは誰の事だい。ともちゃん....