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神境
「神境〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
神境の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
行しながらやっていったのは、八丁堀から目と鼻のその問題の本銀《もとかね》町白旗金
神境内です。いかさま不意打ちに会ったのが面目ないとみえて、そこの境内に尾を巻きな....
「草枕」より 著者:夏目漱石
読み直して見ると、ちょっと面白く読まれるが、どうも、自分が今しがた入《はい》った
神境を写したものとすると、索然《さくぜん》として物足りない。ついでだから、もう一....
「野分」より 著者:夏目漱石
耀《かがや》く光りは、光りそれ自《みず》からの溶《と》けた姿である。不可思議なる
神境から双眸《そうぼう》の底に漂《ただよ》うて、視界に入る万有を恍惚《こうこつ》....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の境内に集まった。本陣、問屋をはじめ、宿役人から組頭まで残らずそこに参集して、氏
神境内の宮林から樅の木一本を元伐りにする相談をした。 「一本じゃ、伊勢木も足りま....
「帆」より 著者:宮本百合子
同じ文字の横看板をかかげた格子戸が向うに見えた。藍子は「婦系図」の、やはり湯島天
神境内の場面を思い出し、自分の書生っぽ姿を思い合わせ、ひとり笑いを浮べた。 格....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
味い得るものだ。三人が顔を見合わせた時に、いままでの奮闘の悲惨と浮世はなれたこの
神境の心よさとを感じて笑わないわけには行かなかった。あらゆる都の塵をすっかり洗っ....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
人間以上で神に近い人である。 斯う思うと、時としては斯うして人間を離れて芸術の
神境に出入《しゅつにゅう》し得るお糸さんは尋常《ただ》の人間でないように思われる....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
突き落したり、背中へ氷を入れたり、ひどいことをする。 浮世では残酷千万なことも
神境ではさしたることではないらしく、白衣の連中も当り前の顔をして眺めたり、手伝っ....
「陳情書」より 著者:西尾正
居たらしいので有ります。有難い事です、至極有難い事です、が、――警察は昨夜湯島天
神境内で私が妻を殴打した事実を知らないのでありましょうか? 恐らくあれ位殴れば息....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
わず繰り返して呟いた。しかり! ここはどこだろう? 壺神様を奉安した神秘崇厳の
神境なのである! 壺神様とは何物ぞ? それには一場の物語がある。 ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
》(毒芹の根)の粉末であった。これで話が大きくなった。 昨年の十月十日に湯島天
神境内のとよという茶汲女が何者かに毒殺され、それから三日おいて、両国の矢場のおさ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
|斡旋した人々の中で、旭玉山氏は主要な人でありました。同氏は湯島天神町一丁目(天
神境内)に邸宅を構え、堂々門戸を張っておりました。現在は京都に住居して八十三の高....
「神仙河野久」より 著者:田中貢太郎
。午後四時|比になって寿真の話は終った。河野はその時になって、未熟な身でそうした
神境におることが勿体ないように思われだした。 「未熟な身が、何時までもこの霊窟に....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
燃やし、じりじり迫り直して来るのである。 「だまれ。人違いなどいたそうか。平河天
神境内に住む小幡勘兵衛|景憲が一弟子、北条新蔵とはわしがこと。こういったら、もう....