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「神妙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

神妙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
らみ》を晴そうと致す心がけは、成程|愚《おろか》には相違ないが、さればとてまた、神妙とも申されぬ事はない。殊にあの月夜に、覆面の者どもを駆り催して、予を殺害《せ....
三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
鬢《よこびん》を紫色に腫《は》れ上《あが》らせたのである。治修はこの二人を召し、神妙の至りと云う褒美《ほうび》を与えた。それから「どうじゃ、痛むか?」と尋ねた。....
将軍」より 著者:芥川竜之介
、彼等は覚悟をきめたように、冷然と首をさし伸した。田口一等卒は銃をかざした。が、神妙な彼等を見ると、どうしても銃剣が突き刺せなかった。 「※《ニイ》、殺すぞ!」....
秋山図」より 著者:芥川竜之介
に、いつまでもこの画を見入っていました。が、画は見ていれば見ているほど、ますます神妙を加えて行きます。 「いかがです? お気に入りましたか?」 主人は微笑を含....
星座」より 著者:有島武郎
何しろ星野に今日の演説を聞いてもらいたかった。とにかく俺はやってみる。こんな処で神妙に我慢していることはもう俺には、どうしてもできんよ。ちっとやそっとの横文字の....
婦系図」より 著者:泉鏡花
まってからは、ちょうど私も北町へ行っていて知っているけれど、それは、気の毒なほど神妙になったのに。…… もともと気の小さい、懐育ちのお坊ちゃんなんだから、遊蕩....
五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
た降参した。やむを得ず手拭いで枕を巻き、タオルで口を予防して三人で炬燵をかこんで神妙に寝た。 十二月二十五日。「もう九時ですぜ」と顔に穴のたくさんあいている番....
火星兵団」より 著者:海野十三
警官の貴様をふんじばって、留置場へのおみやげをこしらえようとしているんだ。こら、神妙にせい」 佐々刑事は、いきなり相手におどりかかった。 相手の警官は、逃げ....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
合 ええ。(と震える。) 宅膳 黒牛の背に、鞍置かず、荒縄に縛める。や、もっとも神妙に覚悟して乗って行けば縛るには及ばんてさ。……すなわち、草を分けて山の腹に引....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
ても、誰か、大人が居て、蔭で声を助けたらしく聞えたのであった。 見物の児等は、神妙に黙って控えた。 頬被のずんぐり者は、腕を組んで立ったなり、こくりこくりと....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
に、前垂掛、昼夜帯、若い世話女房といった形で、その髪のいい、垢抜のした白い顔を、神妙に俯向いて、麁末な椅子に掛けて、卓子に凭掛って、足袋を繕っていましたよ、紺足....
競馬」より 著者:犬田卯
大空の彼方へ吹っ飛ばしてしまいそうにコバルト色の朝空にはじけた。 仙太は、でも神妙に山裾の開墾地へ行って午前中だけ働いた。あとで女房から証跡を発見されてはいけ....
」より 著者:犬田卯
く念を押されると、 「う、ヨチ子、なんにも食べねえ……」 眼を伏せて、さすがに神妙な顔つきをする。 ところで今日は、いよいよ植付ができる段取りだった。あとか....
三枚続」より 著者:泉鏡花
愛想を尽しましょう、おまけにこれが行く先は、どこだって目上の親方ばかりでさ、大概神妙にしていたって、得て難癖が附こうてえ処でその身持じゃあ、三日と置く気遣はあり....
迷信解」より 著者:井上円了
しに、一|小僕の過ぐるに及んで幣束たちまちにふるい動けり。衆人大いに驚き、恐れて神妙なりといえり。小僕ただちに腕をまくり、大喝一声して巫の胸をついて地にたおさし....